VMC Motion Technologies株式会社は、有人宇宙システム株式会社の委託を受け、無人での月面基地建築や、月の資源掘削などの作業の検討・検証をバーチャル上で行える、月面の物理シミュレーションの開発に着手することを発表した。
今回開発が開始される物理シミュレーションは、開発プラットフォームにゲームエンジン「Unreal Engine5」を活用し、物理挙動の計算に使用される物理エンジンにAlgoryx Simulation AB社製の「AGX Dynamics」を使用する。
重力や地形など、地球とは異なる月面環境を考慮しつつ、物理エンジン「AGX Dynamics」の実装により、月面でのローバーの走行や、資源採取のための土壌掘削、基地建設のための土木・建設工事などの高精度なシミュレーションを可能にすることを目指している。
また、NASA(米航空宇宙局)が配布する月面の高解像度テクスチャデータ「CGI Moon Kit」を使用し、NASA主導の月探査プロジェクト「アルテミス計画」で着陸が想定される月南極付近での作業環境を忠実に再現する予定だ。
なお、アルテミス計画は、NASAが提案している月面探査プログラムだ。2025年以降に月面に人類を送り、ゲートウェイ(月周回有人拠点)計画を通じて月に物資を運ぶ。そして、月面拠点を建設し、月での持続的な活動を目指している。
さらに、レゴリス(月面を覆う砂)をはじめ、今後の月面探査によって解明されることが期待される未知の事象をシミュレーションに反映させられる拡張性を持たせ、長期間、多用途に使用できるシミュレーションプラットフォームの構築を目指すとしている。
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