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自動化、ネットワーク化、電動化:ボッシュが貨物輸送に新たな道を開拓

自動化、ネットワーク化、電動化:ボッシュが貨物輸送に新たな道を開拓

商用車の自動化・ネットワーク化・電動化を進めるボッシュは、第 67 回 IAA ハノーバー国際モーターショー(商用車)において、貨物輸送のための新技術を発表する。

新しいネットワーク化サービスによりドライバーと物流管理担当者の負担を軽減

クラウドベースサービスのためのネットワーク化プラットフォーム

ボッシュは、新しいネットワーク化プラットフォームを活用し、車両のライフタイムを通じて商用車をネットワーク化させる。これにより故障予兆診断や無線ソフトウェアアップデートなど、クラウドベースのサービスに向けた技術的なベースを提供する。

このプラットフォームは主に 2 つの要素で構成されている。その 1 つがベーシックなソフトウェアモジュールで、これは車両、クラウド、サービス間の安全な通信用インターフェースとなる。

もう 1 つはデータ管理モジュールで、これは商用車メーカーやフリート車両のオーナーが車両に関するデータを体系化して分析し、車両のソフトウェアをコンスタント
にアップデートできるようにするためのものだ。

故障予兆診断

通常、車両のダウンタイムは予期せぬときに起こり、特に商用車の場合には、これによって大きな経済的損失が発生することもある。しかし、ボッシュの故障予兆診断サービスでは、車両のコンポーネントやシステムの状態が記録・評価され、それが常時クラウドに報告されるため、このデータに基づいて早めに不具合を予測し、解決することも可能になる。

これにより商用車の保守・サービスコストが抑えられ、故障の回数が減ることで稼働率が上がる。

eHorizon

eHorizon は将来的に、走るほどに賢くなっていく。このサービスのベースとなっているのは、高解像度地図と前方のルートの地形データだ。エンジン/トランスミッションマネジメントシステムがこのデータを考慮して、可能な限り効率的な走行モードを選択することで、燃料消費量も抑えられる。

eHorizon の利用は数年前から開始しているが、ボッシュが現在提供しているのはその改良版で、今後はさらに地図に保存されている情報が実際の道路条件と合致するかどうかを確認する機能も加わる予定だ。

たとえば、地図上の制限速度は 50km/h であるのに、30km/h の制限速度を示す標識が車載カメラで検知された場合には、トラックのナビゲーションシステムは新しい制限速度を学習する。

こうした情報は今後、クラウド経由で他のトラックにも共有されるようになる。改良された eHorizon は、2019 年初めに提供開始となる予定だ。

貨物のモニタリング

貨物輸送の場合、物流管理担当者と顧客は自分の荷物が今、どこにあって、どのように扱われているのかを気にかけている。ボッシュのトランスポート データ ロガーは貨物のサプライチェーンを透明化し、貨物の状態を明らかにすることができる。

約 10 平方センチメートルのこの小さなボックスには、センサーが内蔵されており、壊れやすい荷物の輸送を監視し、輸送中の庫内の温度、湿度、傾き、衝撃を測定する。

測定された数値はスマートフォンやタブレットアプリに表示され、記録される。その数値が一定のラインを超えると、アプリが警告してくれるため、荷物の潜在的な損傷を早期に検知し、その原因発生に関わった担当者を特定することも可能になる。

セントラルゲートウェイ

セントラルゲートウェイは、すべてのバスシステムを経由してトラック内の ECU と外界とのデータ交換を制御し、ネットワーク化された商用車にとっての中央通信ノードとなる。

最新の伝送技術と暗号化技術のおかげで、これらのデータは非常に安全に交換できるようになっている。車両ネットワークへの不正アクセスは、ファイアーウォールや、ボッシュ子会社の ETAS や ESCRYPT が開発した侵入検知システムによって防がれる。

ドライビングエクスペリエンスと安全性を向上させるデジタルサイドミラーとディスプレイ

デジタルサイドミラー

ボッシュと Mekra Lang がサイドミラー向けに開発したデジタルミラーカメラシステムは、2019 年に量産開始となる予定だ。キャビン左右の大きな 2 つのミラーがビデオセンサーに置き換わり、空気抵抗が減るため、燃費が 2%向上する。

また、カメラからの画像はリアルタイムで運転室キャビンの高解像度モニターに表示され、その表示は状況に応じて調整される。たとえば、高速道路ではロングビュー、市街地走行では広角ビュー、夜間走行時には高コントラスト表示となる。

さらに、ボッシュの EasyFit カメラシステムにより、既存の車両にもデジタルサイドミラーを後付けできるようになっている。このシステムのベースとなっている 4 つの超広角カメラは、車両周囲 360°を表示できる。

デジタルメーターパネル

トラック内ではネットワーク化、ドライバーアシスタンス、インフォテインメント関連の機能拡充が進んでいるが、ドライバーが気をそらされることなく簡単に操作できるよう、ボッシュはコックピットにデジタルメーターパネルを採用した。

従来のスピードメーターの表示に加え、機能に関する情報、ルート計画の図、リバースカメラまたはナイトビジョンカメラからの画像のいずれかが運転状況に応じて優
先的にディスプレイに表示されるようになっている。

必要な情報が常に的確に表示されるため、複雑さが抑えられ、ドライバーは完全に運転に集中することができる。

商用車のドライビング エクスペリエンスと安全性を向上させるドライバー アシスタンス システム

旋回時警告システム

特に市街地では、トラックのドライバーは車両の流れ、信号機と道路標識を確認しながら、歩行者や自転車走行者にも注意を払う必要がある。こうした複雑な状況で、ボッシュの旋回時警告システムは旋回操作をアシストすることができる。

横断する歩行者や自転車走行者をレーダーセンサーが事前に検知し、衝突が差し迫っている場合にはドライバーに警告し、速やかなブレーキ/回避操作が可能になる。

死角検知

市街地であれ、高速道路であれ、商用車のドライバーは車両の横や斜め後方を把握し続けるのが困難なことが少なくない。死角検知機能は、レーダーセンサーを使用して車両の周囲を監視し、道路利用者がいる場合にはそれを検知してドライバーに警告する。

この機能は、車線変更時に衝突が差し迫っている場合にもドライバーに警告してくれる。

衝突予知緊急ブレーキ

自動車総重量(GVW)が 8 トンを超えるすべてのトラックでは 2015 年秋以降、欧州全域で商用車用自動緊急ブレーキシステムの装備が義務付けられている。

ボッシュのソリューションは、多目的カメラとレーダーセンサーを組み合わせた仕様となっており、いずれもトラックのフロントエンドに取り付けられる。

レーダーセンサーは、車両前方の物体を検知して、物体の速度と車両に対する相対的位置を特定し、衝突の危険がある場合にはドライバーに警告を発する。そして、それにドライバーが反応しない場合には自動的に緊急ブレーキを作動させる。

レーンアシスト

このシステムは、カメラのデータを使用して、トラックが意図せず車線から逸脱してしまうのを防ぐことができる。車線逸脱警報は、たとえばハンドルを振動させることにより、車両が車線の外に出ようとしていることをドライバーに伝える。

また、車線維持支援システムは緩やかにステアリングに介入し、車両を車線内に維持する。

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