近年、製造業の人手不足や人件費の高騰が深刻化する中、人の経験や感覚を必須とし、人に依存している組立、検査、搬送工程の自動化が急務となっている。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により生産現場では人と機械が協調し、生産性を上げていくことがますます求められている。特に自動車業界では、位置や姿勢の認識が機械に難しい複雑な形状の部品が多く、ロボットで自動化する際に不可欠な目となる画像センサーが求められていた。
しかし、従来の3D画像センサーは大型で導入スペースの確保や大がかりな専用取付け設備の構築が必要な上、対象物の状態の検出に時間がかかることから、人が作業していたスペースへの導入や人同様の作業性を維持した自動化の障壁が高いことが課題だった。
オムロン株式会社は、乱雑に積まれた(バラ積み)状態の自動車部品を3次元で認識する3Dビジョンセンサー「FH-SMDシリーズ」を発売した。
同シリーズは、カメラを小型化、軽量化したことでロボットのハンド部分への搭載が可能となった。これにより、専用の取り付け設備がなくても3Dビジョンセンサーを導入でき、設備を省スペース化できる。また、部品の設置状態に応じて同センサーを認識しやすい位置へ移動し視点を変えながら部品を認識できるので、作業時の部品の死角を軽減して安定して検出することができる。
加えて、ピッキングアプリケーションを立ち上げるためのウィザードメニューにより、カメラ設定からキャリブレーション設定まで、ウィザードにそって設定するだけでアプリケーションを設定することができる。
同シリーズをロボットに搭載し、乱雑に積まれた対象物を3次元で認識、ピッキングすることで、従来ロボットには難しかった組立や検査、搬送工程を省スペースで可能となり生産性向上に寄与する。
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