Turing株式会社(以下、チューリング)は、完全自動運転を実現するための専用計算基盤「Gaggle Cluster(ガグルクラスター)」の構築を完了し、運用を開始したと発表した。
「Gaggle Cluster」は、96基のNVIDIA H100 GPUを搭載したチューリングの専用計算基盤だ。NVIDIA InfiniBand/NDR400を用いたネットワークにより、大規模AI学習で複数のGPUを同時に使用する際にボトルネックとなっていたサーバ間の通信速度の制約を最小化している。
また、All-Flash分散ストレージを採用することで、分散学習における性能を最大限に引き出しており、クラスタ全体を「単一の計算機」として大規模な深層学習タスクに最適化されている。
加えて今回、「Gaggle Cluster」の活用により、独自の自動運転AI「TD-1」を開発し、走行試験を開始した。
「TD-1」は、チューリングが取り組む、自動運転システムを開発する「Tokyo30」プロジェクトのための自動運転AIで、カメラ映像のみを入力とし、周辺地図・車両や、歩行者の認識・自身の運転操作までを単一のモデルで出力するTransformerモデルだ。
なお、この計算基盤は、上記のような自動運転AI開発のほか、生成AI開発にも活用しているとのことだ。今年8月には、自動運転向け生成世界モデル「Terra」を、9月には自動運転向けVLAモデルデータセット「CoVLA Datasetを発表した。
これらにより、現実世界の物理法則や物体間の相互作用など、複雑な状況を理解した上で高度な判断が可能な自動運転システムの開発を進めていくとしている。
今後もチューリングは、「Gaggle Cluster」の稼働により、上記を含む複数のモデル開発を進め、完全自動運転の実現に向けた取り組みを加速するとしている。
なお、同計算基盤の構築に当たっては、株式会社NTTPCコミュニケーションズによる技術的な支援と、株式会社NTTドコモ・ベンチャーズによる出資など、NTTドコモのグループ企業による支援により実現したのだという。
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