オムロン株式会社の子会社として社会システム事業を担うオムロン ソーシアルソリューションズ株式会社(以下、OSS)は、ドライバーが運転に集中できている状態かを判断する「ドライバー見守り車載センサー」を実用化したドライバー安全運転管理サービス「ドライブカルテ(DriveKarte)」を物流・公共交通などの事業者向けに来春より提供を開始する。
「ドライバー見守り車載センサー」は、同社の顔画像センシング技術「OKAOvision」と時系列ディープラーニング技術を組み合わせ、ドライバーが運転に集中できる状態かを判断するセンサーだ。
「ドライブカルテ」は、ドライバーの居眠りや脇見など集中度が低下している場合は瞬時にドライバーに警告。
また、車両の走行状態とドライバーの運転集中度をデータ化し、安全運転指標として事業者に提供することで、ドライバーの安全意識を改善・向上させるための教育支援としても活用できるという。
大型トラックや深夜バスなどの長距離や長時間の運転による、ドライバーの運転集中度の低下に起因した交通事故は後を絶たない。
また、慢性的な労働力不足が深刻化する物流業界などでは、確保したドライバーの安全運転意識を高め、早期に育成していく必要がある。
これらの対策として、急ハンドルや急ブレーキなどの車両の走行データをもとに危険運転リスクを判断し、ドライバーや事業者に警告するサービスに加え、国内で起きる交通事故の原因の83%を占める居眠りや脇見などドライバーの運転集中度の低下を把握し、安全運転をサポートするサービスが求められていた。
OSSは、「ドライブカルテ」のセンサーを既存の車両に取り付けることで、車両の走行状態とドライバーの運転集中度の両面から安全運転をサポートするサービスを提供する。
センサーがドライバーのまぶたの開閉や顔の向きを検知し、居眠りや脇見などドライバーの運転集中度が低下している場合は警告音でドライバーに注意を促すとともに、運行管理者にメールで通知。
また、急加速や急ハンドル、速度超過など車両の走行状態を検知し、データをもとに運転集中度指標と走行リスク指標として事業者にレポートする。事業者はこれらの指標を活用し、ドライバーの安全運転指導に役立てることができる。
提供サービス内容は以下の二つだ(予定)。
- 運転集中度指標: 注意力、前方確認、運転姿勢、右左折時確認などの状況から運転集中度を総合評価し、5段階レベルで提示
- 走行リスク指標: 急発信、急加速、急減速、速度超過、急ハンドルなどの状況から走行リスクを総合評価し、5段階レベルで提示など
※生体情報を諸元とした運転者健康指標も今後追加予定
OSSはサービス開始にあたり、オムロンの国内グループ会社であるオムロン フィールドエンジニアリング株式会社の社有車に「ドライブカルテ」センサーを搭載して本年11月より公道での実証実験を行い、危険運転時の警告の評価検証や事業者が安全運転指導に役立つ指標を確立していくとしている。
【関連リンク】
・オムロン ソーシアルソリューションズ(OMRON SOCIAL SOLUTIONS)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。