成長中の製造業、特に複数企業のグループ経営、複数工場の操業、多品種の製造を行うような製造業では、製造現場・製造品種ごとに製造プロセスや管理手法、原価計算方法などが異なるため、それぞれに適したシステムを個別に導入する必要があり、IT投資・保守費用が高額化することが多くあった。
そこで、株式会社シナプスイノベーションと株式会社NTTデータ・ビズインテグラルは、生産管理を中心とする製造業向けソリューション「J WALD(ジェイ バルト)」と、ERPパッケージソフトウエア「Biz∫(ビズインテグラル)」を連携し、製造業の業務プロセス改善に向けた提案を強化することで合意した。
シナプスイノベーションが開発・販売する製造業向けソリューション「J WALD」は、生産管理、原価管理、販売購買管理機能を有している。ひとつのシステム環境上で、多種多様な品目、ライン、工場、グループ会社の生産管理などができる。プロセス系・組立系を問わずあらゆる生産形態にフィットする。
一方、NTTデータ・ビズインテグラルが開発・販売するERPパッケージソフトウエア「Biz∫」は、一般会計をはじめ、債権債務、固定資産、人事給与などの基幹業務アプリケーションを搭載している。会計では、複数会計基準、グループ間取引の相殺、外貨・手形など多様な会計処理に対応する。
両社の同取り組みにより提供されるソリューションでは、製造業のグループ経営や複数工場操業における、各製造現場の情報(生産状況・原価・販売・購買・在庫など)と会計情報(財務会計・管理会計)、各マスタ情報(取引先など)が連携される。具体的には下記の通り、生産管理から会計への自動仕訳だけでなく、各種マスタ、取引先与信情報までタイムリーに連携される。
- 仕訳
「J WALD」で計上された売上・仕入データが、「Biz∫」の債権債務モジュールへタイムリーに仕訳連携される。 - マスタ
「J WALD」と「Biz∫」で統一管理が必要なマスタ(取引先・部門・組織・従業員など)は、同期または「Biz∫」で登録された情報を「J WALD」が参照する形になる。 - 取引先与信
「Biz∫」で管理している債権残高・債務残高がタイムリーに「J WALD」へ連携される。
また、IoT対応として、「J WALD」が工場の設備(PLC)やセンサーと連携し、製造の実績入力、報告業務を自動化・リアルタイム化・精緻化することができる。「J WALD」の生産管理・原価などのデータ、「Biz∫」の財務データ、さらに様々なメーカーの設備、センサーのデータは集約され、ダッシュボードで可視化することができるため、製造業の経営層から製造現場、経理担当までの幅広い業務の効率化・意思決定迅速化に貢献する。
「J WALD」および「Biz∫」は、いずれも業務モジュール(機能)別・利用ユーザ数別でのライセンス購入ができる。導入企業に必要な機能・必要なユーザ数からスタートし、段階的に拡張していくことができる。一事業部や一拠点で導入してから順次利用拡大することや、将来的なM&A、多角化、海外進出などの状況において無理なく機能拡張することが可能だ。
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