IoTでOEEは向上するのか
OEEとは、Overall Equipment Effectivenessの略で、「設備総合効率」のことだ。
工場へのIoT導入によって期待される価値としては、生産性の改善と品質の工場であることは言うまでもない。
特に生産機械の想定外の停止は、OEEの低下をもたらす。IoTによって現場のデータを取得、可視化することで、原因を探り、予知保全にも結びつけると言う考え方は、国内のスマートファクトリーにおいても一定の理解が得られたことだと言える。
ところで、データが取れたとしても世界に拠点を持つような製造企業の場合、担当者が必ずしも現地に行けない場合があるわけだが、こういった現地の作業者への的確な指示や、現場の様子をみて遠隔から作業指示をする場合にもARは活躍するのだという。
また、VRの技術を使えば、時間を戻して過去の状態を見ることも可能になる。
しかし、実際は既存工場のデータが全て取れるわけではない。そこで、360度カメラを使って工場の状態を再現するソリューションとして、「MATTERPORT」社と提携したと言う発表がされた。
MATTERPORTのソリューションは、もともと不動産業で使われていた3D空間を認識して、その図面を点群で表示するソリューションだ。これを使うことで施設内のVRツアーすら自在に行うことができる。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。