キリンビール株式会社では、本社・各工場が連携して商品の製造計画を立てており、ビール類の原材料を仕込み、発酵する工程の「仕込・酵母計画業務」は、熟練者の知見に頼る複雑な作業だ。様々な条件を勘案しながら立案するため、作業に時間がかかり、技術伝承が難しい業務でもある。
そこでキリンビールは、株式会社NTTデータと共同で、ビール類を製造する「仕込」・「発酵」工程において、AIを活用して最適な仕込・酵母計画を自動で立案するシステムを開発した。
今回発表された仕込・酵母計画システムは、2020年12月より全9工場で導入した濾過計画システムをベースに、NTTデータと共同して各工場熟練者へヒアリングを行うことでさまざまな制約を洗い出し、制約プログラミング技術を活用することで、熟練者の知見を顕在化させ、標準化している。
NTTデータは、システムに関する業務・システム要件の整理や、制約プログラミングエンジンの開発・チューニングなどを実施した。
このシステムは段階的な導入を経て、2021年10月時点でキリンビール全9工場での試験運用を開始した結果、熟練技術の伝承と、全9工場合計で年間1,000時間以上の時間創出が見込まれ、2022年1月より本格運用が開始される予定だ。
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