AGCは4月17日、化学品プラントのプロセスデジタルツインを開発し、インドネシアの化学品製造・販売子会社のアサヒマス・ケミカルの塩化ビニルモノマー(VCM)製造プラントで4月から本格的な運用を開始すると発表した。
「プロセスデジタルツイン」は、実際のプラントの運転データを、プラント情報管理システム(PIMS)経由でプロセスシミュレータにリアルタイムに取り込み、即時に高速計算することで、仮想空間上にプラントの現在の状態を再現する技術。
システムの活用することで、これまで取得できていなかったデータや、リアルタイムに参照できなかったデータをシミュレーション上で推算し、運転状態や装置性能などの可視化が可能になる。また、迅速な状況把握とデータに基づいた意思決定に役立てられる。
AGCでは、今回開発したプロセスデジタルツインで、反応から蒸留精製までの幅広い工程をカバーすると同時に、実プラントの再現度を高めるために3つの工夫を施した。
1つ目は、最小ステップの反応「素反応」まで考慮した厳密な反応モデルを組み込み、操業管理上のカギとなる副生成物の挙動まで再現した。
2つ目は、ダイナミックシミュレーションを行うことで、プラントの安定状態だけではなく、変化する過程の状態も再現。3つ目は、実データを基に汚れなどの影響による、装置能力の経時的な変化を自動補正することで、実プラント状態の再現性を向上させた。
同社では今後、プロセスデジタルツインをより多くのプラントへ展開することで、オペレーションを高度化し、一層の安定操業を目指すとしている。
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