横浜ゴム株式会社は、ブラックボックスとなっているAIの判断基準やルールをユーザが推測するための技術「XAI(eXplainable AI=説明可能なAI)」を活用したタイヤの設計支援システムを独自に開発したと発表した。
今回開発されたシステムでは、求めるタイヤ特性に役立つ特徴量を技術者に提供できるよう、SHAP(SHapley Additive exPlanations)と呼ばれる「XAI」に独自のカスタマイズを施した。
さらに、得られた特徴量をどう調整すればよいかを技術者が理解しやすいよう、多角的に表示する仕様となっており、技術者が設定したタイヤの基準仕様と目標特性値から改善すべき特性(目的特性)と定量値を定め、その目的特性の改善に役立つ特徴量を「XAI」で提示する。
技術者は、「XAI」で得られた情報(求めるタイヤ特性に役立つ特徴量)を多角的な視点で解釈して仕様を修正し、横浜ゴムが2021年に開発した特性値予測AIを使って各特性値が目標を達成しているかを確認することができる。
このプロセスを繰り返すことで最終仕様を決定し、さらに「XAI」によって最終仕様の根拠(各特性値の改善や維持に役立った設計因子(特徴量)とその寄与率)も確認でき、経験の浅い技術者でもタイヤ設計を効率的に行うことができるのだという。
今後横浜ゴムは同システムを、多岐にわたるタイヤ商品開発に活用するとともに、デジタル革新を目指すフレームワーク「HAICoLab」の実践領域を拡大していくとしている。
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