化学や薬品、エネルギー業界の企業が保有するプラントでは、製造設備を停止して行う定期修繕を行なっている。三菱ケミカル株式会社には、国内に12カ所の製造拠点があり、各事業所や工場の設備技術部署を横断するワーキンググループが定期修繕の効率化を目指していた。
特に、複数の協力会社が連携して行う修繕作業は、業務プロセスが紙での個別管理となっており、協力会社間での作業進捗共有がリアルタイムにできないという問題があった。そのため、前工程の進捗遅れに対する調整が間に合わないときは、次工程の作業に着手できず待ち時間が発生するなど、非効率となっていた。
そこで三菱ケミカルは、株式会社日立ソリューションズと共に協創した、プラントの定期修繕作業をクラウドで管理する「プラント向け予防保全 進捗管理サービス」を、三菱ケミカルの全社標準システムとして採用したと発表した。
「プラント向け予防保全 進捗管理サービス」は、モバイルデバイスを活用して全工程の進捗管理をクラウドで一元管理し、作業の計画から着工許可、進捗報告、日報の作成といった定期修繕業務の効率化を支援するものだ。
化学プラント、電力プラント、製鉄プラントに代表される大規模プラントの定期修繕、日常点検作業のスケジュールをクラウド上でシステム化することで、スケジュールの作成支援、作業状況のリアルタイム共有、データの利活用を通して、作業スケジュールを最適化する。
機能は、「ガントチャート作成機能」「作業実績登録通知機能」「翌日作業登録機能」が搭載されている。
なお同サービスは、三菱ケミカルの岡山県と茨城県の主要な事業所でPoCが行われ、他の施策との相乗効果で、岡山県の事業所では作業員稼働率が16%向上するという有効性が確認されている。今後は、三菱ケミカルの国内事業所や工場に順次導入される予定だ。
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