三谷産業株式会社は、車載向け樹脂成形品の製造における効率化と品質向上を目指し、AIを活用した自動外観検査機を開発した。
そして、実用化へ向け、2024年5月にベトナムの製造工場へ移設して検証を行い、8月から量産ラインにおいて評価を開始したと発表した。
開発された検査機は、画像解析AIを活用して良品・不良品の判定を自動で行う外観検査システムだ。検査機に製品をセットし、ボタンを押すと検査が開始される。
AIは複数の角度から撮影された画像を学習結果と比較し、汚れや傷、バリ、欠けなどの欠陥を高精度で検出する。検査結果はタッチパネルディスプレイで確認することが可能だ。
本体サイズは高さ約3m、幅1.2m、奥行き1.45mで、キャスター付きであるため、移動や設置が容易だ。
現在、ベトナムの製造工場では熟練の検査員が1部品あたり110秒かけて検査しているが、自動外観検査機を適用することで、検査員の工数を1部品あたり37秒にし、約66%の工数削減が見込めるのだという。
今後は、2026年を目処にベトナムの全量産工場に適用を完了させる計画だ。さらに将来的には、検査機に蓄積された判定結果のデータを活用し、製造データと紐づけることで、欠陥の発生原因を特定し、製造プロセス全体の改善につなげる活動にも取り組むとしている。
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