川崎重工業株式会社は、同社のロボット事業を担う精密機械・ロボットカンパニー ロボットディビジョンにおいて、キャディ株式会社の製造業AIデータプラットフォーム「CADDi」を導入し、年間数千万円規模のコスト適正化を実現したと発表した。
川崎重工業は、船舶・鉄道車両、バイク、産業プラント、精密機械、ロボットなどの事業を展開する総合エンジニアリングメーカだ。
同社のロボット事業は、この10年間で急成長を遂げている一方、「業務の属人化」や「生産性の伸び悩み」といった課題が顕在化していた。
そこで同社は、CADDiのアプリケーションである製造業データ活用クラウド「CADDi Drawer」を導入。これにより、コスト面だけでなく、社員の意識にも変化が見られるようになったのだという。
「CADDi DRAWER」は、図面データを解析した上で蓄積することで、必要な図面を類似検索やキーワード検索などで検索することができるサービスだ。
独自のアルゴリズムで図面を自動解析することにより、図面に記載されているテキストなどの情報を構造化されたデータとして蓄積し、検索した図面の類似図面を検索することもできる。
今回「CADDi DRAWER」を導入したことにより、調達部門の特定業務において70%以上の効率化が達成されたほか、原価の見直しにより数千万円規模のコスト適正化を実現した。
さらに、設計部門では部品の標準化が進み、一部の部品群では100以上あった図面を10数図面まで集約・標準化することで、金型や治具の削減などを含めてコスト適正化を実現した。
課題の一つだった情報の検索性も、それまで別のシステムに入っていた情報が一元化されることにより、検索性が大幅に向上した。
さらに、今回の導入をきっかけにコスト面だけでなく、社内の他部門との連携も生まれ、部門を超えて課題感の共有ができるようになった。
今後は、今回の成果を部門間で横展開していき、事業部を超えた会社全体の変革に繋げていくことを目標としているのだという。
川崎重工業ロボットディビジョン 生産総括部の林和輝氏は、「今後は、開発から市場投入までのリードタイムを短縮し、さらなる生産性向上を成し遂げたい。最終的には、生産プロセスで発生するデータを繋げ、製品ライフサイクル全体にわたって一元的に管理できるデジタルスレッドの構築をキャディと一緒に目指していきたい。」と述べている。
関連記事:
図面データを「活用」することで価値を生み出す「CADDi DRAWER」 ―CADDi 白井氏インタビュー
「CADDi DRAWER」で図面データを活用し、脱属人化や効率化を実現 ―樫山工業 仲谷氏・原氏インタビュー
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。

