花王株式会社は、あぶら取りフィルムで顔の皮脂を採取し、そこからRNAを抽出して網羅的に解析する皮脂RNAモニタリング技術を構築している。同技術は、皮膚を傷つけることなく、約1万種におよぶ皮脂RNAの発現情報を検出することが可能だ。
このRNA情報を活用することで、これまでに、肌や体の状態を推測したり、乳幼児アトピー性皮膚炎やパーキンソン病といった疾患の状態を分子レベルで把握したりできる可能性を報告してきた。
そして今回、花王株式会社は、この皮脂RNAモニタリング技術を用いて、皮脂RNAの受託分析を行うサービスを、株式会社ヘルスケアシステムズを通じて2024年6月より開始すると発表した。
今回開始される皮脂RNAモニタリング技術を用いた受託分析は、検体(顔の皮脂)から皮脂RNAを採取し、NGS(次世代シーケンシング)を用いて網羅的に分析する、主に研究機関を対象としたサービスだ。
非侵襲で簡便に検体を採取できるため、従来の方法よりも被験者への身体的・心理的負担が少ないことがメリットだ。検査の受託はヘルスケアシステムズが請け負い、花王は送付された検体を分析する。
今後花王は、皮脂RNAモニタリング技術をはじめとする花王独自の技術を、さまざまな分野の研究・製品開発に応用できるよう検討を進めていくとしている。
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