エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム株式会社(以下、NTTBP)と株式会社日立製作所(以下、日立)は、AIを活用した介護施設入居者の感情変化の予兆を検知する実証実験を行った。
この実証実験では、テルウェル東日本株式会社が受託運営する介護施設にて、入居者の映像・音声データから感情の種類を分類し、介護記録やアンケートの結果と組み合わせることで、入居者のシーンごとの感情と、その感情の要因を分析した。
具体的な検証方法は、介護施設の入居者同士が集まり、会話や交流を行う食堂での食事の様子や、健康運動を行う様子などを6日間カメラで撮影し、そのデータをAIで分析。入居者の感情を7種類(怒り、悲嘆、恐れ、平静、嫌悪、幸福、驚き)に分類した。さらに、入居者のプロファイリング情報、介護記録、アンケート結果を組み合わせて、感情変化の要因を分析した。
分析の結果、AIを活用して分析した入居者の各シーンにおける感情の分類が、実際に対象者が感じた感情の分類と約75%の精度で一致した。これを受け、NTTBPと日立は2024年度中のサービス事業化を推進する予定だ。
具体的には、入居者の機嫌を損なう可能性のあるワードやケアを予めスタッフが把握することで、急な感情変化を防ぎ、安心安全の確保とケアの質の向上、スタッフの負担軽減を支援するサービスの開発を目指すとしている。
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