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賃貸管理主の利用を見込むVR・スマートロック―賃貸住宅フェアレポート1

賃貸管理主の利用を見込むVR・スマートロック―賃貸住宅フェアレポート1

2019年7月30日~31日、都内で「賃貸住宅フェア2019」が開催された。主に賃貸物件のオーナーなどに向けた展示会イベントだが、その中でも物件管理に利用できるIoTソリューションが幾つか展示されていた。

ナーブのVR内見

ナーブが展示していたのはVR内見のソリューション(トップ画像)だ。遠隔にある物件でも、ゴーグルを介して360度のVR体験動画によって、内見をすることができるというものである。

ナーブのVR内見用ゴーグル

実際にゴーグルを付けて体験してみると、賃貸物件の管理主が実際に撮影したVR動画が映し出された。特に画像のブレもなく、壁や床、玄関から部屋までの奥行など、基本的なチェックはVRを通して十分にできる印象を受けた。

展示会スタッフの説明によれば、賃貸を管理する側のメリットとしては、撮影用スマートフォンとカメラを持って歩くだけで画像データ作成を簡単に行える点とのこと。撮影後の動画手ブレを自動補正できる機能も今後実装予定だという。

このVR内見は、新築住宅の分野では既に導入されており、イオンのショッピングモールなどにトップ画像のような体験モニターが設置されているとのこと。賃貸物件向けは今後導入を予定しており、さらに内見後すぐに賃貸管理会社とモニターを通じて賃貸契約をべる機能の実装も見込んでいるそうだ。

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民泊で活用されるユーエムイーのスマートロック

賃貸物件の所有者にとって重要なのは、空き家の管理だ。そうした空き家管理に関するソリューションとして、スマートロックの展示も多く見られた。

中でも印象的だったのが、ユーエムイーの「LINKEY」だ。これはICチップの付いたソニーの「Felica」といった各種カードやスマートフォンを使って、ネットワーク経由でロックの開閉ができるというもの。希望のパスワードを設定すれば、タッチパネルでの解錠もできる。

ユーエムイーのスマートロック「LINKEY」

展示スタッフの説明で興味深かったのは、この「LINKEY」を民泊で導入する事例が多いということだ。その背景には2018年6月に民泊新法が施行されたことがあるという。民泊を始める場合は事前に届け出を行うことが義務付けられ、民泊を管理・運営する管理者の責任が明確になったことで、施設の出入りを厳重に管理することが求められるようになったのだという。

展示会で配布されていた資料には、2018年2月にオープンした無人民泊施設「かりゆしコンドミニアムリゾート北谷ARAHA SUSET」の導入事例が紹介されていた。

「かりゆしコンドミニアムリゾート」が「LINKEY」を導入したのは、無人のフロントで運営できる宿泊施設を作りたいと思ったことがきっかけだという。リゾートでは事務所からの遠隔操作で、ゲストへの暗証番号を管理し、クリーニングなどの常時出入りする業者については専用のカードキーを渡して入室記録を管理しているとのことだ。

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