NTTコミュニケーションズ株式会社(以下NTT Com)は、VRを始めとした仮想空間技術xRを活用して、企業や学校などでのあらゆる活動を非対面で仮想的に実現するxRビジネスを展開する。今回、その一環として学校での教育活動におけるVR学習の有効性に関して実証実験を実施した。
同実証実験は、2020年2月に京都市の同志社中学校協力のもと、生徒を12名ずつ2つのグループに分けて入国審査やレストランでの注文など、留学や海外旅行で必要となる英会話を学習するものである。一方のグループはスクリプトと音声教材による従来の方法で学習し、もう一方のグループはVRを活用して現実に近い状態でのコミュニケーションを体験した。
その後、それぞれのグループの生徒に対し理解度テストを行い、ネイティブスピーカーと英語教諭が習熟度を5項目で評価することで、グループ間の習熟状況の差異を比較した。
その結果、VR学習を行ったグループは、従来の方法で学習したグループに比べて「レスポンス」、「発音」、「正確性」、「理解力」の4項目で、スコアを上回っていることが確認できた。特に「正確性」では約10%向上していた。
また、今回VR学習を体験した生徒を対象にアンケート調査を行ったところ、約74%の生徒が「VRによる学習方法は効果がある」と回答した。その理由として「本当にそこに外国の方がいるようで、理解度テストではあまり緊張しなかった」などの声が挙がっており、VRで疑似体験をすることでテストでも落ち着いて対応できることが効果として挙げられた。
今後、医療や観光業など他分野での教育・研修活動にVR活用を進めるとともに、非対面でリアリティのある体験を可能とするxRを用いて、ウィズコロナ・アフターコロナにおける最適な働き方・まなび方を提供していくとした。
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