厚生労働省によると、介護人材数は団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年度末には約34万人不足すると推計されており、介護業界では人材不足が深刻な課題になっている。そうした課題に対して、ミサワホームグループの介護事業者である株式会社マザアスではこの3年間、市販化された介護ロボットを導入するなど、介護業務の生産性向上に積極的な取り組みを行い、介護のICT化におけるプラットフォームの役割を担うことを目指している。
今回、マザアスが運営を担う介護付き有料老人ホーム「マザアス南柏」で、トヨタ自動車株式会社未来創生センターが研究している認識技術など、パートナーロボットで培ったロボティクスを活用したケアサポートシステムの実証実験を、2019年8月から2020年5月まで行うと発表した。
同実証実験では、トヨタ自動車が研究を進める認識技術を活用して介護スタッフが必要な時に居室内の入居者の様子を遠隔より把握できるとともに、スマートフォンアプリ上で全スタッフの位置情報が可視化できることで、ナースコールに対する、近場の介護スタッフによる居室内の状況を踏まえたサービス提供について検証する。
また、介護スタッフの移動履歴などにより介護日誌作成を半自動化するなど、事務作業削減の検証なども行う。こうしたICTの活用によって、業務負荷の大きい居室間の移動や記録入力時間の低減が図れ、情報共有の迅速化、遠隔からの入居者の状況把握により、夜間巡視など訪室の業務効率化を目指すとした。
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