現在、通信の高速化やデータの大容量化に対応するため、5GやWi-Fi 6など、1波長の1区間に複数の信号を送る多値変調方式への移行が進んでいる。この方式は、わずかなノイズや揺らぎにより、データエラーが発生するため、より特性劣化が少なく、周波数を安定して出力可能な小型の小型温度補償型水晶発振器(以下、TCXO)が求められている。
TCXOは、以下2つの性能指標があり、これらの数値を低減することが重要となる。
- 位相ノイズ:デバイスの固有なノイズによる振幅と位相の揺らぎ
- 位相ジッタ:波形に生じる時間軸のずれと揺らぎ
このほど、京セラ株式会社は、-168dBc/Hz@100kHz offsetの低位相ノイズ特性を実現したTCXO「KT1612シリーズ」、「KT2016シリーズ」を開発した。同製品の位相ジッタは、68fs @12kHz to 5MHzという値で、通信品質の向上に寄与する。これらは、高品質(高Q値)の人工水晶を使用しており、超高精度加工技術(プラズマCVM技術)により最適化した水晶振動子と、ノイズを抑制した発振回路を組み合わせることで実現した。
同製品は、2020年3月から量産を開始する予定だ。
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