酒造現場では、品質の安定化と負担軽減のため、もろみの品温を冷却水で自動管理できる制御タンクの導入が進んでいる。一方、品温管理の完全な自動化は難しく、人が判断して温度を設定するケースが大半である。そのような中、どこにいても品温の確認や制御ができるIoT化へのニーズが高まっている。
ラトックシステム株式会社と株式会社NYK西日本は協業し、酒造現場向けIoTシステム「もろみ日誌」のクラウド版をクーリングタンクと連携、品温を自動調節しながら遠隔監視もできるシステムとして展開を強化することを発表した。
NYK西日本の樹脂ライニングタンク型クーリングタンクは、冷却効率が良く、またジャケット保有水量を少なくすることで過冷却しにくいといった特徴があり、繊細な温度制御が可能だという。
今回の強化により、もろみ日誌対応のクーリングタンクでは、これまで通りの温度制御をおこないながら、タンクの品温センサーで計測したデータをゲートウェイを経由してLTE-M通信でクラウドに送信される。
品温データやグラフは、アプリ「もろみ日誌クラウド」でいつでもどこからでも確認できる。品温があらかじめ指定した温度範囲を超えるとスマートフォンに通知される。クラウドは共有され、もろみ日誌に対応済みの機器であれば混在が可能だ。
また、利用者が既に樹脂ライニングタンク型クーリングタンクを導入済みの場合は、制御盤に変換ユニットを組み込み改造することでIoT化を実現できる。
両社は今後、遠隔からの温度の確認に加えて、温調器の設定温度の変更も遠隔から可能になるという。また、ラトックシステムは酒造りに関わるデバイスやシステムとの連携を強化し、ハードウェア変換やクラウド連携、アプリへの取り込みによるシステム連携を図るとしている。
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