定期サービスや月額課金といった「サブスクリプション(定期継続)ビジネス」のプラットフォームを提供するビープラッツ株式会社が、IoT事業者に向けたサービス採用事例として、NECプラットフォームズ株式会社の提供するロボット型インターフェース「PaPeRo i(パペロ アイ)」のマーケットプレイスに関するインタビューを実施した。
人のコミュニケーションを支援し、人の情報のやりとりを支援するロボット型のインターフェースを利用したIoTビジネスの創出を手掛けるNECプラットフォームズ株式会社。
「PaPeRo i(パペロ アイ)」は対面型コミュニケーションに極力近い感覚を意識した、座布団型ルーターの上にちょこんと座った癒し系で、その活躍の場は、介護の現場や教育、エンターテインメントなど、多岐に渡る。
「PaPeRo i」の誕生の背景を教えてください
NECが約20年前からコミュニケーションロボットを研究しており、PaPeRo iはその研究を応用し、当社がIoTビジネスへと進化させたものです。
当社は、従来、センサーからの情報を収集して、加工や分析するためのサービスゲートウェイに関する製品を中心に、IoTビジネスを数多く展開してきています。
そんな中、カメラやセンサーを利用して人を観察するような場合に、人の振る舞いに影響しないようなインターフェースの工夫が必要となっています。人はモニタリングされると本来の姿を隠す、見せないといい、本来の目的を達成できない場合も多く、それにより、人を正しくモニタリングし、適切なサービスを提供することは困難を伴います。そこで、人の自然な状態や感情を観察するために、ロボット型のインターフェースを追加することによる解決が考えられています。
ロボットは、工場などで利用され、人の作業を代行する自動化機械や、人の作業を支援する機械産業ロボットに代表される「産業用ロボット」と、工場以外の領域で使われ、日常生活の支援や、人々の生活を豊かにする「サービスロボット」の2つに分類出来ます。 産業用ロボットはすでに市場がメジャーになっているのに対して、コミュニケーションロボットを含むサービスロボットの市場は今後急速に拡大していくことが予想されており、20年後には産業用ロボット分野の約2倍の市場規模になると言われています。特に、介護支援、子育て支援、家事支援、日常生活支援など、人とリアルに接するところで、サービスロボットがあたりまえに使われる世の中になるでしょうし、ビジネス上でもこれらの分野は成長が見込まれます。
ここに、当社が蓄積してきたデータ、ノウハウ、技術力などのIoTビジネスの強みを活かした上で、自然な形で人々の生活をサポートできるようなユーザインターフェースとしての見た目にも親しみやすいPaPeRo iを中心とした新たな事業を開始しています。
事業展開におけるポイントと課題は何であるとお考えですか?
一番のポイントは、それぞれの得意な領域で活躍されているビジネスパートナー様にPaPeRo iをプラットフォームとして自由にご活用いただけるようにすることです。そのためには、まず導入のしやすさがポイントになってくるため、PaPeRo iはビジネスパートナー様にご購入いただくのではなく、イニシャルコストの負担がかからず、利用者が価値に応じて対価の支払いを設定できるようにレンタル方式での提供を採用しています。
IoTビジネス本部
本部長代理 岡本 博人 様
また、長年のNECの研究において、コミュニケーションロボットに対するニーズは多岐に亘り、1社ですべてのニーズをカバーすることが難しいことが判っていたため、PaPeRo iにおいては、ビジネスパートナー様とのコラボレーションを前提としています。
つまり、ビジネスパートナー様の自社用ロボットとして、ロボットの振る舞いはビジネスパートナー様が開発できるようにPaPeRo iにはオープン技術を採用し、アプリケーションだけではなく、ハードウェアも拡張出来るようにしています。これによりビジネスパートナー様を通して、さまざまな市場にアプローチができるようなビジネスモデルを考えております。
さらには、PaPeRo iをビジネスパートナー様にとって最適にカスタマイズしていただくためには、当社とビジネスパートナー様との1対1関係だけではなく、いかに他の多くのパートナー様を集めて、ビジネスマッチングの場を作るかが重要なポイントになってきます。そこで当社では、ビジネスパートナー様の他に、アプリケーションパートナー様、ハードウェアパートナー様を募集し、それぞれのパートナー様が相互連携出来るよう、web上に会員制のマーケットプレイスを用意しました。
このマーケットプレイスは、「コラボマーケットプレイス」という名称で、PaPeRo iのレンタルもここで行います。
Bplats®をご選択いただいたのはどのような理由からですか?
まず、ビジネスパートナー様間での商材のやり取りやレンタル方式のビジネスを支えるプラットフォームシステムを探しているなか、Bplats®を知りました。Bplats®はこれらの目的を実現するSaaSプラットフォームであり、コラボマーケットプイレスの短期での構築と、その後の事業展開にあわせて機能の拡張などができる仕組みであることを評価しました。
結果として当社の事業運営に柔軟に対応していただけるので助かっています。
IoTビジネス本部
主任 星名 一平 様
Bplats®への要望・期待があれば教えてください。
コラボマーケットプレイスを活用するビジネスパートナー様が今後増加していく計画のため、登録時の作業や日々の運用に対し、システムの機能面における操作の簡素化などの工夫を期待しています。また、ビジネスパートナー様間の商材の流通だけではなく、コラボレーションが加速するような情報交換の機能なども強化されると、当社ビジネスの拡大により効果的と考えております。
結果として、コラボマーケットプレイスを通して行われるビジネスパートナー間でのビジネスの相互研鑽ができるようなプラットフォーム機能の提供に成長していくことを期待しています。
今後の展望を教えてください。
まずは、日本のマーケットでビジネスパートナー様の開拓を進め、PaPeRo iを通した新規ビジネスモデルの普及を行っていきたいと考えています。また、将来はグローバル市場に展開されるビジネスパートナー様をインフラ面で支援することをすすめていきたいとも考えています。
コラボマーケットプレイスについては、今後はPaPeRo iのみならず、IoTビジネスを中心に同じスキームで他の商材も増やしていく予定です。当社の強みであるオープンなハードウェアを開発・生産する力を中心に、ビジネスパートナー様とのコラボレーションを拡大することにより、コラボマーケットプレイスが活性化し、そこから様々なビジネスを生み出していきたいと考えています。
(本ご導入事例の内容は、2017年5月時点のものとなります)
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