飲食業界では、人手不足や労働環境改善が長年の課題となっており、その解決策の一つとして配膳ロボットの導入が進んでいる。配膳ロボットを導入することでホールスタッフの持ち運び負担の軽減にはつながるものの、店舗の会計システムや注文システムとロボットが統合的に連携していない場合、ホールスタッフがホールの状況を目視で確認しながら、直接ロボットに配膳・下げ膳の指示操作を行う必要があり、人とロボットの連携には課題があった。
NECプラットフォームズ株式会社は、飲食店向けPOSシステム・オーダーエントリーシステム(以下、OES)の「FoodFrontia」において、店舗での料理の注文から会計まで一連の店舗運営機能と、複数機種の配膳ロボットの連携を実現するサービス「マルチ配膳ロボット連携」の提供を開始した。なお、NECプラットフォームズは配膳ロボットとの連携機能の一部について特許出願中だという。
従来1機種でしか対応できなかった配膳ロボット連携だが、同サービスでは配膳ロボット「YUNJI DELI」「BellaBot」「Servi/Serviアイリスエディション」「KettyBot」の4機種に対応しており、飲食店の店舗規模に合った配膳ロボットを選択することができる。
また同サービスは、FoodFrontiaのOES機能と会計機能が配膳ロボットとの連携を実現した。これまで配膳ロボットを導入していた店舗において1回あたり8分かかっていた下げ膳業務時間を5分へ短縮し、下げ膳業務時間を40%削減することが可能となった。
さらに、会計終了と同時に配膳ロボットへの下げ膳指示を自動で出すことが可能であることや、ハンディ端末からの遠隔操作により下げ膳の際のホールスタッフの配膳ロボットとテーブルの往復移動が無くなり、1時間当たりの下げ膳率は60%増加、接客時間は36分増加するなど、業務効率化で生じた時間を接客サービスやクリンネス時間に当てることができるため、サービスレベルや顧客満足度の更なる向上につながる。
そして、テーブルに設置したセルフオーダー端末へ配膳予定の料理を表示することが可能になり、店舗利用者は事前に届く料理が把握できるようになる。また、食後に利用者がテーブル上の食器類を下げたいときにセルフオーダー端末から配膳ロボットを呼び出すことができるため、好きなタイミングで下げ膳を行うことができ、快適性が向上する。
NECプラットフォームズは、同サービスを通じて今後4年間で3,000台の配膳ロボットの店舗導入を目指している。
なお、同サービスの標準利用価格は、ロボット1台当たり月額10,600円~となっている。
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