ユニバーサルロボット(以下、UR)は、新たなオンラインシミュレーションツール「UR Studio」を発表した。
このツールは、URのAI対応オープンプラットフォーム「PolyScope X」をベースに開発されており、ユーザが仮想空間上で最適なロボットセルを構築・検証できるよう設計されている。
「UR Studio」を使うことで、ユーザ、パートナー、インテグレータは、実際の環境を再現したロボットセルを仮想空間上に構築し、周辺機器レイアウトやロボットの動作といった動作環境全体をシミュレーションすることができる。
ロボットの動作確認、リーチ、速度、作業フロー、サイクルタイムといった要素を可視化・検証することで、導入前に最適な構成を見極めることが可能だ。
また、「UR Studio」では、すべてのURロボットおよび、パレット、加工機、ワークピースといった構成要素、標準グリッパーなどのエンドエフェクタを組み合わせて仮想空間に配置することができる。
加えて、ユーザ固有の作業環境に合わせて3Dモデルをインポートすることで、実環境に限りなく近いセル構成を再現可能だ。
さらに、「UR Studio」は設計段階からシミュレーションを重視して構築された「PolyScope X」との連携を前提に設計されており、「UR Studio」上で作成したプログラムはエクスポートして実際のURロボットへインポートすることもできる。
なお、「UR Studio」は完全無償で提供され、PCのブラウザ上で動作するため、専用アプリケーションのインストールは不要となっている。
操作画面は直感的に設計されており、機械への投入・取り出し(マシンテンディング)、ねじ締め、パレタイジング、ピック&プレースといった代表的なアプリケーション用テンプレートが事前に用意されているとのことだ。
今後はテンプレートが順次追加されていく予定だ。
URのチーフプロダクトオフィサーであるテロ・トロネン氏は、「UR Studioは、導入に対する安心感とスピードを提供することを目的としている。レイアウトや動作の検証と可視化を直感的に行えるツールであり、導入前にロボットセルの性能を徹底的にシミュレーションできるようになった。」と述べている。
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