大東建託株式会社と株式会社イクシスは共同で、3Dスキャナによる周辺点群データを活用した施工管理システムを開発し、2021年10月より、同社の施工現場で試行を開始すると発表した。
昨今、生産年齢人口の減少や高齢化が社会問題となる中、建設業においても労働力不足の解消や生産性の向上は喫緊の課題である。現場従事者においても、ベテラン社員から若手社員へ技術や知識を継承するにも長い年数を要するため、若手社員の育成も大きな課題である。そのような、業界の課題を解決するため2020年10月より、同システムの開発に至ったとした。
また、従来、建物を建設する前、設計図面をもとに建物の配置や躯体、設備配管などの施工位置を、確認・検査をしていた。確認・検査項目は、着工から完成までの各工程で多数にわたり、さらに二重チェックなどが必要となるため、多くの時間を要するとともに、人的作業によるヒューマンエラーが懸念されてきた。
同システムは、現場従事者がタブレットやスマートフォンを通して建物や躯体の完成イメージをARで確認することができるため、従来、設計図面を見ながら照合していた確認・検査業務を効率的に行うことができる。また、ヒューマンエラーがなくなるため、品質管理の精度向上にも期待できる。
同システムでは、まず、更地の状態で3Dスキャナを用いて近隣建物や敷地全体の点群データを取得し、位置情報を把握する。その後、建物や躯体の情報を設計図面からBIMによって3D化し、点群データのなかに正確に配置するよう各データをリンクする。これにより、建物や躯体の完成イメージをARで確認することが可能となる。
今後はさらに、ARクラウドと連携することで位置補正を自動的に行い、誤差を極めて小さくするほか、鉄筋や金物などの施工不備箇所がエラー表示されるシステムを開発中とした。
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