株式会社Agx社、一般社団法人ORINAS、社会福祉法人敬友会グループホームひまわり、アヴニール・ワークス株式会社は、各種介護福祉施設をはじめとする多様な人が集う災害避難所などにおける、センサ装着者の身体情報の可視化からその対応を模索することを目的にした共同事業の、実証実験第2回目を、グループホームひまわりにて開始した。
第1回実証実験では、グループホームひまわりにおいて、利用者に装着された体表温センサ及び、居室などに配置された温湿度センサからの複数データを、Agxが提供するBluetoothを用いた独自システム「ThingBridge VISION」によって、10分間隔・24時間の複数モニタ及びデータ蓄積、タブレット端末等による情報可視化とその利用の実証実験を行った。
第2回実証実験では、第1回実証実験にて確認されたBluetoothデータ送受信時に発生したデータの欠損の改善を行い、より正確なデータ取得を行う。
収集されたデータは、ORINASによりデータ解析を行い、快適な住環境の構築の研究や、1日を通した体温の変動リズムの研究、利用者・介護者双方にとっての環境作り模索を行う。
具体的には、広範囲でBluetoothデータの取得を行う全室用ルータと、個室のIoTデータを集中的に収集するobnizの居室用ルータそれぞれを設置し、宅内のIoTデータをもれなく収集する環境を構築。
また、作業現場での作業者の状態可視化のために開発されたIoTプラットフォーム「ThingBridge VISION」を、実証実験に向けてグループホームで運用可能なシステムとしてバージョンアップし、連携する。
「ThingBridge VISION」は、自動で温湿度情報を収集し、WBGT近似値・温度・湿度の時系列情報を持ったヒートマップとしてレイアウト図に反映される。
高齢者はウェアラブルバンドを装着することで、皮膚温度データを収集することが可能になる。
温湿度のデータと皮膚温度の統計データの相関関係などを調査することで、施設内においての熱中症リスクなどを判定する。
さらに現在、ORINASの研究担当者により、第1回実証実験で得られた利用者の体表温データと、グループホームの職員が行っている介護記録の照合が行われている。
これにより、職員が目視で確認する利用者の睡眠状況と、体表温データとの関係性が伺える事象が見受けられており、分析と対応の模索が進められている。
4社は、これらの研究が、将来的に薬に頼らないケア、日中を含め利用者の生活環境の構築、介護職員の負担軽減(特に夜勤)などに結びつくきわめて重要なことに繋がると考えられるとしている。
今後は、今回の実証実験期間中に、体温計・血圧計との機能連携の実現可能性についても調査を行う。
検温時に測定する入居者の体温と血圧情報を自動的にクラウドでデータ収集を行い、それぞれのデータの平均値を求めていくのだという。
これにより、日々の測定において、測定者の当日の体温と血圧情報が、例えば過去7日間のその測定者の平均値と大きく乖離があるような場合には、アラートを発信するなどの使い方が想定されている。
なお、サービスリリースは2023年中を予定している。
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