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ベルリンの街でデジタルと社会問題について考える ーIFA2019レポート3

IFA2019

ベルリンで開催されていたIFA2019レポートの第三弾は、会場を飛び出しベルリンの街で感じたデジタルの社会実装状況と、社会問題の解決についてレポートする。

実は、IFA2019に参加する前に、メディアジーン社が主催した、同じくベルリンで開催されたTOAというイベント報告会に参加していた。

その際、「現在ヨーロッパを中心に広がりを見せるGAFAへの批判、特にフェイクニュースや個人情報の扱い、モラルハラスメントなどの問題がとりだたされる中、従来の近代的価値観と社会システムへの疑問と批判、そして再構築を、国家レベル、社会レベル、産業レベルで本気にやろうとしている。」というお話を伺うことができた。

そんな報告会をうけ、そういった視点で街を散策したいと思い、一日かけてベルリンの街を歩いてみた。

私自身、米国型のWinner takes all的な発想、モノによっては、安全性が確保されることが非常に重要であるにも関わらず、未完成でも生み出すことの方が大切、という考え方、そして、エコシステムという名のもとに巨額の投資を集め、儲からなければどんどん売却するという事業の継続性を無視した投資、など、米国西海岸的な発想には辟易としていた。

街歩きは、電動スクーターで

日本では、道路が狭く、自転車が車道を走っていて危ないと思うことも多いが、ベルリンの街では、自転車専用道路が整備されている。電車にのっても、自転車で乗車する料金が設定されていて、自転車を乗せることができる車両があるくらいだ。

最近、世界各国でスクーターが流行っているが、ベルリンでもご多分にもれず、観光エリアを中心にスクーターが街中に置かれている。乗るのは簡単で、スマートフォンアプリに決済情報を登録しておけば、あとはスクーターに付けられたQRコードから利用開始をし、利用後はアプリから利用完了を押す程度だ。

朝早くに、点在するスクーターを回収し、並べ直すトラックを見ることもできる。

私はベルリン大聖堂からシュプレー川の横をとおるシュトララウアー通りをベルリンの壁のイーストサイドギャラリーのあたりまで乗ることにした。

シュトララウアー通りは広く、自転車道路も自転車を横に2台並んでも通れるくらいの広さがあるため、かなり快調に風を切りながら進むことができる。スクーターは20km/hまでしか出ないのと、タイヤの幅が広かったので、乗っていて怖いということはなかった。

そして、イーストサイドギャラリーのちょうど中間地点くらいに、目的地の一つ、ホルツマルクトがあった。

街は誰のためにあるのか?という問いかけを投げかける、Holzmarkt(ホルツマルクト)

伝説のナイトクラブ、BAR25のオーナーが始めた地域住民を巻き込みながら作ったコミュニティで、18,000m³の敷地を75年間リース、住居や農園、宿泊施設、スタートアップ向けのイノベーションハブ、保育園・幼稚園、シアター、クラブ、そしてスパまでの実装を計画しているという。

さらに、起業家や投資家、クリエーターなどが集まり、持続可能な資金調達モデルも開発されてきているのだ。そして、シュプレー川の沿岸に位置するホルツマルクトでは、川の自然生態系を育む取り組みもされている。

資本主義的にはあり得ない取り組みを進めるホルツマルクト。この土地を維持管理するために行なっていることは得になく、主な収入源はクラブや来訪者が飲むビールなのだという。

誰かの儲けのために街があるのではなく、市民が集い、好きな音楽に身を委ね、アートを楽しむ、そしてそれらを実現するクリエーターが集う街。ホルツマルクトが今でもDIYで建物を増築し、街としてのケイパビリティを広げていく理由はこういった人間としての自然な営みがあるからなのだと感じた。

店内の水耕栽培施設でつくられた野菜を食べることができる、GOODBANK(INFARM)

アレクサンダープラッツという駅にほど近い場所に、GOODBANKというレストランがある。

このレストランは、水耕栽培によって育てられた野菜を中心とした、オーガニックレストランだ。

店内には、INFARMという名のスタートアップが作った、水耕栽培施設が壁一面に立っており、葉野菜を注文するとそこで育てられた野菜が提供される。

2019年6月に100億円の資金調達をしたばかりのINFARM社、水耕栽培の一つのユニット(棚)は面積2m²、高さ3m程度だという。このユニットで月1,000株の野菜が栽培できるということで、すでに500モジュールは店舗に設置されているのだという。

この設備、それなりの設備投資が必要そうだが、野菜を収穫し備蓄、配送倉庫に集めた後、流通を通して店頭に並ぶまでのコストを考えると、将来的には生産性がさらに向上し割安になっていく可能性も高い。

SDGs、エコ、などに本気で取り組む

ベルリンの街は比較的緑が多い印象で、実際に街を歩いていてもゆったりした空気感を感じることができる。

また、IFAの開催会場であるメッセの展示でもドイツ企業を中心に緑を配置する展示が多かった。

また、産業廃棄物への対応やエコへの配慮が訴求ポイントとなっている展示も多く、生き物としてのヒトを中心とした未来を考えるきっかけにもなった。

我々は、デジタル技術以前に、我々が暮らす社会について、どうありたいのか、それについてもっと議論が必要だと感じた。

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