小田急電鉄株式会社は、同社が提供する、廃棄物収集の効率化を通じて循環型社会の実現等に寄与する仕組み「WOOMS(ウームス)」が、宮城県仙台市の「デジタル技術を活用した家庭ごみ収集ルートの最適化実証事業」に採択されたと発表した。
「WOOMS」は、ごみ収集業務全般の効率化により、廃棄物の資源化などの環境負荷低減や、働き方改革に向けた取り組みのための余力創出に貢献するシステムだ。
一般的には、焼却処理場を含む決められた収集ルートを、同一の収集車が複数回往復しながら収集することで対応しているところ、「WOOMS」を用いることで、近隣を走る別の車両の回収作業の進捗状況を把握しながら連携して対応することが可能だ。
その結果、想定よりも収集量が少なかった車両が、必要に応じて規定ルートを変更し、応援に駆け付けることで、その日のすべての収集を完了するために必要な時間と、すべての車両の走行距離の合計を短縮することができるほか、帳票作成などの事務作業も効率化する。
今回小田急電鉄が採択された事業では、2024年8月1日から2025年2月28日まで、仙台市若林区にて、家庭ごみ収集に関する収集状況データや車両走行データの取得・管理、収集体制の構築や収集ルートの変更等により、総収集時間の短縮をはじめとする収集作業等の効率化を目指す実証実験を実施する。
なお、2020年度に「WOOMS」を導入した神奈川県座間市での収集業務の効率化度合いを比較すると、各車両の平均積載量は約5%増加し、運搬回数は約19%減少したとのことだ。同市では、この効率化により創出した余力で、従来可燃ごみ扱いしていた剪定枝を別途回収することでバイオマス燃料化することとし、ごみとして焼却する量の低減につなげているという。
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