OKIは、流通小売業界に向け、IoTの画像センシング技術と人工知能(AI)・アナリティクス技術を活用した店舗業務改善支援ソリューション「VisIoT(ビショット)」の提供を開始すると発表した。
同製品は、「集める」「見える」「改善する」をコンセプトとして、店舗内のヒト・モノ・コトのデータをIoTにより収集・見える化し、さらにAI・アナリティクス技術を用いたデータの分析・活用によりさまざまな課題を解決して店舗の業務改善を支援するとしている。
本日より同ソリューションの第一弾となる「レジ適正台数見える化」および「レジ混雑予測」の2サービスの販売を開始。2018年1月31日より提供を開始する。
背景
少子高齢化に伴う労働人口の減少により人手不足が深刻な社会課題となっている。レジや品出し、バックヤードでの在庫準備など、多くの人手を必要とする流通小売業の店舗内業務も同じ問題を抱えている。
特に金銭を扱い顧客との接点となるレジ業務は、業務負担が大きく、多くのスタッフ確保が必要となる。また、会計待ちによるレジ混雑は顧客クレームのトップクラスにランクされる項目で、顧客満足を重視すれば要員過多となり、効率化を重視すればレジが混雑するといった相反する課題の解決に難しさがあるのが現状だ。
第一弾は「レジ適正台数見える化」と「レジ混雑予測」
OKIはこのような課題を解決するために、「レジ適正台数見える化」および「レジ混雑予測」サービスを提供する。「レジ適正台数見える化」は、店舗に設置する画像センシング技術を搭載した同社の映像IoTシステム「AISION(アイシオン)」とマネージドクラウド「EXaaS(エクサース)」上に実装されたAI・アナリティクス技術を用いる。
それによりレジの待ち人数を認識してPOSデータとも連携することで、レジ開閉のムダ・ムラを見える化し、適正なレジ開閉台数を日毎・時間毎に把握できるよう支援。また過去実績から推奨レジ開局台数を想定し、スタッフのシフト計画最適化をサポートする。
「レジ混雑予測」は、来店する顧客の属性情報と買い物時間を認識することでレジへの到達人数を予測、適正なレジ開閉台数を逐次算出し、管理者のスマートフォンに通知する機能を有する。
熟練者でなくても通知内容に従うだけで、混み始める前の最適なタイミングでレジの開局指示が行えるようになり、レジの混雑を事前に防ぐことで顧客満足度の向上に寄与するという。
また混雑する時間だけレジ要員を増やすなど、要員の適正配置により、店舗全体の人時生産性(従業員1人の1時間当たりの生産性)向上を支援する(同社測定:レジ8台の店舗で、10%以上の人時生産性向上を実現)。
OKIは、今後さらに「シフト計画作成支援」、「欠品検知」、「特定人物検出」、「待ち時間予測」など、「VisIoT」のサービスメニューを充実していき、また金融業や運輸業など他業種の店舗業務改善支援にも提供を拡大していくという。
なお、同サービスは株式会社ベイシアとの共創により開発を行い、2016年4月からベイシア三好店で実証実験を行い、効果を測定している。
【関連リンク】
・店舗業務改善支援ソリューション「VisIoT」
・沖電気(OKI)
・ベイシア(Beisia)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。