沖電気工業株式会社(以下、OKI)と株式会社ロンコ・ジャパンは、物流分野におけるルート配送の効率化に対するOKIのAI技術の有効性を、実証実験により確認した。
OKIはAIを用いた最適化技術により、配送計画(配送先と順番、車輛への荷物積載の内訳)に基づく配送総走行距離を最小化する解を自動で導出する「コスト最小型ルート配送最適アルゴリズム」を開発した。
これまでも、車輛の配送ルートを最適化するサービスはあったが、複数車輌で荷物を分割配送するような複雑なケースでは人手に頼らざるを得ず、計画のできにも優劣が生じていたという。同アルゴリズムは、1拠点に1台で一括配送するケースから複数車輌で荷物を分割して配送するケースまで、多様な配送パターンの条件を自動で分析しながら、走行距離・コストが最小となる最適解を算出できることが特長だとしている。
同実証実験では、ロンコ・ジャパンの実際の配送案件において、配送要件の確定から配送開始までの限られた時間内で配送計画を策定し、同アルゴリズムによる計画に基づいた車輌13台の配送総走行距離が、配送計画の策定に熟達した人手による算出結果よりも1日当たり約300km少ないことが確認できたという。さらに、アルゴリズムの策定した計画に則って実際に配送を行い、選定したルートで走行上の問題がないことも確認したとしている。
同実証実験のケースでは、燃料代は年間約360万円のコスト削減が可能となり、走行距離の最適化および短縮により、年間約440kgのCO2排出量削減が可能となるという。
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大学卒業後、メーカーに勤務。生産技術職として新規ラインの立ち上げや、工場内のカイゼン業務に携わる。2019年7月に入社し、製造業を中心としたIoTの可能性について探求中。