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アスクル、ロボットベンチャーMUJINと業務提携し、eコマースの物流現場へロボットを導入

アスクル、ロボットベンチャーMUJINと業務提携し、eコマースの物流現場へロボットを導入

アスクル株式会社は、ロボットの知能にあたるソフトウェアを開発する株式会社MUJINと、ロボティクス技術開発とeコマースの物流現場へのロボット導入を目的とした業務提携契約を締結している。アスクルは今後もさらに物流センターのピッキング工程の自動化、ロボット化を推し進め生産性の向上を図っていくという。

 

アスクルとMUJINが業務提携契約を締結、物流ロボットの技術開発と導入を本格化

アスクルは2015年12月、ロボットベンチャーのMUJINと、ロボティクス技術開発に係わる業務提携契約を締結し、現在まで両社協力し、物流センターのピッキング工程に導入するロボットの技術開発・検証・導入を進めてきている。

両社のロボット開発プロジェクトは、一般社団法人ロボット工業会が公募する平成26年度補正予算「中小企業経営支援等対策費補助金(ロボット導入実証事業)」として採択され、実証事業を行っていたが、本年3月、実証事業のベストプラクティスに選定されている。

 

ロボット導入を推進する背景

近年、日本の総人口は減少傾向にあり、高齢化率も世界に類を見ないペースで進んでいることから、今後ますます生産年齢人口は減少し、労働力の確保が企業にとって大きな経営課題になることが見込まれる。

一方eコマース市場は順調に成長しており、市場の成長と比例して物流センターの作業量は増加しているが、労働力の確保とともに賃金は上昇傾向にあり対応が必要となっている。とりわけ、物流センターにおける商品ピッキング工程はもっとも多くの人員が働いており、自動化が進んでいない工程だ。同工程へのロボット導入による自動化を進めることが、労働力不足問題への対応と、生産性向上において極めて重要になってくる。

 

開発・導入したロボットについて

現在、製造業などで導入されている産業用ロボットは、事前に「記録」された動作を「再生」することで作業を行う。長時間にわたって同じ作業を繰り返すような用途では効果を発揮するが、短期間で作業内容が頻繁に変わるような用途には向いておらず、日常使いのeコマースに対応することは困難だった。

アスクルの物流センターでは、飲料、日用品、化粧品など多品種多様な商品を取り扱っており、ピッキング工程に導入されるロボットは、多品種多様な商品の種類を特定し、かつその形状や大きさに合わせた商品ピッキングと、お客様毎のダンボール箱に格納する動作が求められる。今回導入されたロボットは、アスクルの物流センター運営ノウハウとMUJINのロボティクス技術を連携させることで、導入することが可能になった。

MUJINは、ロボットの動作生成に関して最新のソフトウェア技術のもつテクノロジーカンパニーだ。MUJINは以下の2つの技術をベースにした個別の動作記録を不要とする画期的なロボティクス技術を持っている。

・高速高精度の画像認識システム:商品の状況や大きさ、形状を高速かつ正確に3次元で認識するシステム
・最適な動作計画の生成:高速高精度の画像認識によって得られた情報を踏まえ、状況に応じた最適なロボットアームの軌道や掴み方を瞬時にプログラムとして生成する技術

 

アスクルは今後もMUJINと緊密に連携し、物流センターのピッキング工程の自動化・ロボット化を進めるとともに、拡大するeコマース市場と労働力不足問題への対応に加え、生産性の向上を実現していく。

またスタッフとロボットが共存することで、スタッフへの負荷が高い業務をロボットが代替する「人に優しい」物流センターを目指すという。

 

【関連リンク】
アスクル(ASKUL)
MUJIN
日本ロボット工業会(JARA)

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