NFCタグラベルは、現在、PETフィルムなどのプラスチック基材に金属箔を用いてアンテナを形成するものが主流となっているが、NFCタグの基材を環境負荷の低い紙素材に置き換えたいという市場の要望が高まっている。
しかし、紙へのアンテナ形成の手段として一般的な「銀ナノ粒子」などの導電性インクによる印刷法では、回路の電気抵抗が高くなってしまうため、十分な通信性能を得られないという課題があった。
そこで凸版印刷株式会社は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに代わり、紙素材をアンテナ基材として使用した、環境配慮型NFC(近距離無線通信)タグラベルを開発。2023年1月23日より全世界で販売を開始する。
このタグラベルは、紙への置き換えによりプラスチックの使用量をゼロにすると同時に、レーザー加工とロールtoロールによる連続搬送プロセスを組み合わせた新たな回路形成技術により、NFCデバイスとしての通信性能を確保している。
また、紙基材が表層材を兼ねる層構成により、PETフィルムを基材とする凸版印刷の既存品と比較して、ラベルの厚さを30%削減しているという。
さらに、基材が紙である特長を活かし、剥がすとNFCタグラベルが破壊され、通信不能となる構造を採用。ラベルの貼り直しによる不正利用を防止している。
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