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2018上半期のコネクテッド・カーのトレンド(後編)

コネクテッドカー

先週に引き続き、2018年のコネクテッドカーのトレンドレポートを公開する。

トラックの自動運転

物流に大きな変化を引きおこすとされる自動運転トラック技術は今や使用性試験が次々と実施されている。

Embark

米スタートアップEmbark社は独自の自動トラックソリューションの能力を再度デモンストレーションし、米国のロサンゼルス市から西に国を渡り、フロリダ州のジャクソンビル市まで3860キロほど走ったという。

今回は、安全性の要求に従い、車内に運転手も在席したが、同社によると、ほとんどの運転は自動運転システムが行った。今回のルートで運転手付きの走行には5日間もかかったが、ドライバーレス運転になると2日間しかかからないという。

他社と異なり、Embarkは高解像度地図を使わず、設置されたセンサー・データと車内機械学習能力に頼るため、新しい経路作成に必要なコストと時間を削減できる。

今回のテストドライブでは、Embarkの自動運転技術は本道でも問題なく走行可能だと確認された。

UBER

また、UBER社の自動運転トラックは一年前以上190キロを走って、初めて商用配送を実施した。

今回UBER社は同トラックをアリゾナ州の商用配送に使用し、現時点で数か月間貨物を運搬している。ドライバーが在席するトラックには緊急事態が生じた場合、ドライバーが運転に切り替える仕組みになっているが、最終的にウバーが目指すのは完全ドライバーレストラックだ。

2017年5月、UBERはUber Freightというアプリを開発し、トラックの持ち主とトラック企業を貨物を配送したい顧客と繋げるという、メインビジネスと類似のビジネスモデルを使い、新しいサービスを始めた。

Tesla

2018年3月、Tesla社がTesla Semi自動運転トラックの初となる貨物配送の実施を発表した。

今回Tesla Semiはネバダ州にあるGigafactoryから電池が積んだトレラーを430キロほど離れているカリフォルニア州のフリーモント工場に運んだ。走行には4時間半ぐらいがかかる旅だが、これから同社が頻繁に使う経路であるため、テスト運転が必須だ。

日産自動車

日産自動車は、新型「日産リーフ」や脳波を活用した運転支援技術「Brain to Vehicle(B2V)」を出展した。

「Brain to Vehicle(B2V)」技術は、ドライバーの脳波を測定、解析することで、マニュアル運転時にも自動運転時においてもドライバーの思い通りの運転を実現することをサポートし、ドライビングプレジャーを高めるというものだ。

具体的には、ドライバーがハンドルを回す、アクセルペダルを踏むなどの操作をする直前に、脳の行動準備電位を検出し、ドライバーが操作を開始する前からシステムが操作を開始。それにより、ドライバーの反応の遅れをカバーし、ドライバーが思い通りの運転をできるようサポートする。

B2V技術は、ステアリング操作などの運転操作に関連する行動準備電位のリアルタイム検出、また、ドライバーが思い描いた運転と、実際に行われている運転が違うと感じるときのエラー関連電位(Error Related Potential)を計測可能とした。

日産自動車株式会社と株式会社ディー・エヌ・エーは、無人運転車両を活用した共同開発中の新しい交通サービス「Easy Ride(イージーライド)」の実証実験を本年3月5日より横浜市で開始した。

同実証実験のため、公式サイトで約300組の一般モニターを募集したという。
同実証実験では、自動運転技術を搭載した実験車両に一般モニターを乗せ、合計約4.5Kmのコースを往復運行する。

目的地は専用のモバイルアプリで設定するが、行きたい場所を直接指定する以外に、「やりたいこと」をテキストまたは音声で入力し、おすすめの候補地を表示させてその中から選択することもできる。乗車中には走行ルート周辺のおすすめスポットや最新のイベント情報などが車載タブレット端末に表示されるほか、店舗などで使えるお得なクーポンが用意される。

遠隔管制センターは走行中の車両の位置や状態をリアルタイムで把握することで、安全性を確保する。
乗車後に実施する一般モニター向けアンケートでは、乗降時や乗車中の体験についての評価や周辺店舗と連動したサービスの利用状況、実用化した場合の想定利用価格などについて情報を収集する。

なお、両社は同実証実験終了後に無人運転環境でのサービスの検討や運行ルートの拡充、有人車両との混合交通下での最適な車両配備ロジックや乗降フローの確立、多言語対応などの検証を進め、限定された環境でのサービスを経て、2020年代早期に本格的なサービス提供を目指すとしている。

日産とDeNA、無人運転車両を活用した交通サービス「Easy Ride」の実証実験を開始

トヨタ自動車

トヨタ自動車も、スマートモビリティ社会を見据え、モビリティプラットフォーマーへとシフトするべくソフトウェアの開発を加速させる方針を発表した。

トヨタはCES2018にて、モビリティサービス専用EV「e-Palette Concept」と自動運転実験車「Platform 3.0」を出展している。

「e-Palette Concept」は、電動化、コネクテッドや自動運転技術を活用したMaaS専用次世代EVだ。移動や物流、物販など様々なサービスに対応し、人々の暮らしを支える「新たなモビリティ」を提供することがコンセプトとなっている。

さらに、トヨタ自動車株式会社とJapanTaxi株式会社は、タクシー事業者向けサービスの共同開発等を検討する旨の基本合意書を締結した。具体的には、タクシー向けコネクテッド端末、配車支援システムの共同開発、ビッグデータ収集といった分野での協力、協業を検討していく予定だ。

そして、両社の関係強化のため、トヨタがJapanTaxiに出資することに合意した。

また、JapanTaxiは、タクシー配車アプリ「全国タクシー」を開発、2011年より提供しており、現在、タクシー配車アプリとして国内トップシェアとなっている(アプリのダウンロード数が400万を超え、車両登録数は約6万台まで増えた)。

トヨタ自動車とJapanTaxi、タクシー向けサービスを共同開発

トヨタ自動車も2018年にToyota Entune 3.0 App SuiteとLexus Enform App Suite 2.0を搭載した一部の北米向けのトヨタとLexusの車種にAmazon Alexaを搭載するとCESで発表した。2019年以降、他のモデルにも導入を拡大するという。

トヨタのAlexa導入へのアプローチは多数の企業と違い、追加のハードウェアなしで、車内システムに統合する方針だという。それによって、Alexaの機能性を高いレベルで保つことができて、車内でニュースアップデート、インフォテインメントシステム制御やTo-doリスト作成、やスマートホームデバイス操作などができる。

自動運転技術の先行開発分野での技術開発を促進するために、トヨタは、新会社「Toyota Research Institute Advanced Development(TRI-AD)」を2018年3月下旬までに、東京に設立することを決定した。

新会社では、新規採用に加え、トヨタ、TRI、アイシン、デンソーのメンバーも含めて、1000名規模の体制とすることが目標だという。

特にソフトウェアやデータハンドリング技術の重要性は、これまでにないスピードでますます高まっている。そのような環境変化に対応すべく、トヨタは2016年にTRIを北米に設立し、AI、自動運転、ロボティクスといった技術の研究を行ってきた。そして今回、さらなる競争力強化を目指し、本新会社を設立することとした。

トヨタはTRIとの連携を強化し、その研究成果を先行開発、そして製品へと効率良くつなぐ
研究、先行開発領域における、トヨタグループ内での開発の連携強化による開発のスピードアップを狙う。

また、国内外トップ人材採用により開発力を強化しつつ、トヨタグループ内の知能化人材を育成する目的もある。

以上を実現するために、従来とは異なる発想で新たなスキームを構築することが必要だとし、今回、アイシンとデンソーおよびトヨタは、自動運転技術の先行開発分野における共同技術開発に向けた覚書を締結した。

また、3社それぞれが新会社に開発投資を実施することを予定している。今後3社は、具体的な共同開発契約の締結を目指して、更に協議を進めていくとした。

トヨタ、自動運転のソフトウェア開発で新会社「Toyota Research Institute Advanced Development」を設立

他にも、トヨタは、JapanTaxi、KDDI、アクセンチュアの4社と人工知能を活用したタクシーの「配車支援システム」の試験導入を開始すると発表した。

4社は、タクシー運行実績や人口動態予測だけでなく、タクシー需要への影響が大きい気象、公共交通機関の運行状況、大規模施設でのイベントなどのデータをAIに取り込み、需要の大小に応じた複数の学習モデルを適用している。

このタクシー需要予測技術の精度を東京都内で検証した結果、正解率94.1%という高い精度を実現できたという。

4社は、2018年2月から同システムをタブレットに実装して、JapanTaxiの関係会社である日本交通株式会社のタクシー数台に試験導入することで、実環境での有効性の検証を開始している。

タクシーに搭載されたタブレットの地図上には、予測されたタクシー乗車数だけでなく、周辺の直前の空車タクシー台数も同時に表示されており、ドライバーは需要と供給のバランスを見ながらタクシーを運行できる。

これにより、需要が大きいものの空車タクシーが少ない場所に車両を集めることができ、顧客の待ち時間を減らせるだけでなく、車両の最適な配置によってタクシーの乗車率を向上することも可能になるという。

加えて、営業成績の良いドライバーの知見に基づいた「お客様を見つけやすい走行ルート」のデータを、ドライバーはタブレット上で受け取ることができるということだ。

今回の試験導入では、実際に同システムを利用したドライバーの2月の売り上げが平均で前月よりも1日あたり20.4%増え、ドライバー全体の増加率9.4%を上回る成果が出ている。

4社は今後順次、試験導入するタクシーを数十台に増やして2018年度中の実用化を目指すとした。

また4社は、同システムがタクシーの利便性を高めるほか、新人タクシードライバーの研修ツールとしても活用できるなど、タクシー業界の変革に貢献すると考えている。

また、今後タクシー車両向けに順次搭載を拡大していく通信型ドライブレコーダー「TransLog」から収集される「走行画像」の解析結果と、タクシー需要の相関関係の研究も進め、同システムに活用することも検討している。

トヨタ、JapanTaxi、KDDI、アクセンチュアの4社、AIを活用したタクシーの「配車支援システム」の試験導入を開始

パナソニック

パナニック社とTrendMicro社は自動運転車用のサイバーセキュリティソリューションを開発する目的で協業すると発表した。ECUに対するサイバー攻撃の検知や予防するソリューションパケージの完成を3年後に予定している。

両社は新しいソリューション開発にパナソニックのControl Area Network侵入検知・予防技術とTrendMicroのIoT Security ソリューションを適用するという。、パナソニックのソリューションはECUに送られた不正指令を検知し、TrendMicroのIoT Securityはデバイス側(ナビシステムなど)でサイバー攻撃を検知するという。両技術が検知したイベントのデータがクラウド上の分析プラットホームに送信され、不正トラフィックがブロックされるという仕組みだ。

サムスン

サムスン社はCESでDRVLINEというハードウェアとソフトウェア・プラットホームを紹介した。

同社が自動運転車用のプラットホーム構築には多数のソリューションや産業を渡る協力が必要だと考え、カスタマイズ可能なプラットホームを目指して開発した。

DRVLINEを使うベンダーが各種部品のカスタマイズや交換できるため、望ましい仕様通りに車両を作り上げて、さらに進歩し続ける技術に追いかけられるという。DRVLINEの発売は今年中に予定している。

さらに、サムスンが去年買収したHarman 社と共同で5G に対応するアンテナやDigital Cockpitを開発した。Digital Cockpitは利便性と安全性に注力し、スマートフォンの接続によってコクピットをパーソナライズできるという。

Kia

韓国のキア社は2018年に発売する車種にグーグルアシスタントを取り入れて、複数の車両機能の実施に利用する予定だ。キア社はグーグルアシスタントやグーグルホームに対応しているデバイスに接続できる新しいUVO Agentを紹介した。同社によると、新しいAgentは遠隔にエンジン始動やその停止、車両のロックやロック解錠、クラクションとライトを操作できる。

現代自動車

韓国の現代自動車が燃料電池自動車「Nexo」の自動運転技術をデモンストレーションし、ソウルから五輪が開催された平昌市まで190キロほど公共道路で走らせた。

同社が2021年を目当てに、スマートシティで独自の自動運転車の展開を予定しており、世界中の展開を2030年に目指している。
現代自動車によると、今回のデモンストレーションは5Gネットワーク上で実現されたという。通信がないトンネルを通過できるため、「Nexo」に追加のセンサーやカメラを装着し、GPS信号がなくなっても、車両の位置を地図で確認できるようにした。

現代自動車はジュネーヴ・モーターショーにてインテリジェントPersonal Cockpitを展示した。現代自動車はコクピットに音声認識、AI、IoTや運転手のストレスレベル特定技術を採用した。

今回導入された音声認識技術は米SoundHoundの技術を利用し、エアコン、サンルーフやロック施錠など、頻繁に使われる車内機能を音声でコントロールできるようになる。

将来に、Personal Cockpitに車両と家を結びつくCar-to-Home IoT機能が導入すると見込まれている。

Car-to-Home IoT機能を使い、ドライバーが車内だけでなく、音声で家の中電気をつけたり、音楽を流したりという遠隔操作することが可能にすることを予定している。Personal Cockpitの特徴は、複数指令を同じ文章で認識し、個別に実施するという。また、ドライバーのニーズを予測し、役立つ情報を提供するプロアクティブ機能がある(ミーティングリマインダーや道路状況に基づいて出発時を提案するなど)。

また、Wellness Care機能が含まれており、カーシートとハンドルにセンサーが組み込まれた。センサーは突然の変化がないか脈拍を管理し、ドライバーのストレスレベルを検出できる。ストレスを検出したら、システムはオンラインでビデオを使った医療相談サービスに接続するか、癒し効果のある音楽を流し、ライトを薄暗くし、快適な車内空間を作ることでストレスを解消させる。

さらに、IoTコクピットにインストールされた「Smart Tuning Package」はコクピットをパーソナライズ化する。カーシートをドライバーの身長に合わせ、ドライバーが好む音楽を流す。

なお、現代自動車はセキュリティ問題に重視し、シスコと提携で車両データへのセキュアなアクセスを確保するプラットホームを開発した。第一世代の1Gpsアーキテクチャーと最大に帯域を利用可能にするQoSを使ったオートモティブイーサーネットを採用したプラットホームではセキュリティと柔軟なデザインが注力された。

現代自動車は2021年までに自動運転車を発売する予定であり、それを実現するにはAurora社と提携した。Aurora社の自動運転技術を採用し、パイロット都市でテストプログラムを展開する予定だ。

Hyundai Motor’s connected car technology enhances the driving experience

Baidu

BaiduはBlackBerryのQNXという認証済みセーフティOSをBaiduのApollo自動運転プラットホームの基盤として取り入れる意向表明書を調印した。また、両社はBaiduのコネクテッドカー用ソフトウェアCarLife、DuerOS AIシステムや高精細度の地図を BlackBerry社の QNX 自動車インフォテインメント・プラットホームに統合するため協力すると決めた。

Delphi、クアルコムやVisteon社はコネクテッドカー分野でQNXプラットホームを使う目的ですでにBlackBerryと提携している。そして、BlackBerry社はデンソーとIntelの共同で統合型ヒューマン· マシン ·インターフェイス(HMI)プラットホームを開発した実績がある。

中国の最大モバイル交通プラットホームであるDidi Chuxingは中国の交通管理局と協力しながら、スマートシティ交通管理用のソリューション「DiDi Smart Transportation Brain」を展開した。現時点で、「DiDi Smart Transportation Brain」は中国中の20都市で採用された。

同ソリューションは匿名化された交通データ、または地方行政やビジネスパートナーからのデータなどを統合し、リアルタイムデータ、クラウドコンピューティングやAI技術を利用する。この機能を活用し、交通流計測、スマート信号、リバーシブルレーンや保守スケジュール/システム評価用の交通管理プログラムなどの交通インフラストラクチャー改良を実現できる。

山東省の済南市は344か所の交差点でスマート信号を設置し、渋滞時間を10-20%ほど減少し、現地通勤者が渋滞で過ごす1150万時間ほどを節約できたという。現在、同ソリューションは中国の1200交差点で導入済だ。

自動運転技術を開発しているスタートアップPony.aiは中国で初めて自動運転相乗りタクシーサービスを一般客向け公道で展開した。現在同社の自動運転車は広州にある3キロぐらいの経路でサービスを提供している。設立から1年しか経ってない企業にとって大きい成果ともいえる。

テストには、悪天候や人間ドライバーが起こしうる交通シナリオを含めて、学習を行ったため、自動運転技術の高速改善できた。

Pony.aiはこれから広州において自動運転パイロット地域を拡大する予定だ。小規模のテストから始め、限られた地域でマップ作製やナビゲーション能力が向上したら、サービス区域をだんだんと拡大していく。

自動運転車テストに関する法律の成立に向けて

カリフォルニア州の自動車局(DMV)は自動運転車テストに関する規則を修正し、4月から完全ドライバーレス車両の公道でのテスト実施が可能になった。

以前、自動運転車の軌跡修正の必要に備えて、ドライバーの在席が必須だった。しかし、2018年の4月から遠隔管理者による制御や、問題が起きた場合の担当局(警察など)と乗客とコミュニケーションができる技術が備えたら、ドライバーレス自動運転車のテストが許可される。
現時点では、カリフォルニア州で50社ほどがほぼ300台自動運転車のテストを実施している。

そこで、新しい法律は同州で技術発展を加速化させると期待されている。

イギリスの政府も自動運転車を見据え、新しい法律の開発に取り組む。

イギリス政府は2021年に運転自動車を公道への導入を目指し、法律改正を始めたと発表した。

去年、中国で初となった自動運転車テスト規則は北京で出され、2018年2月に上海市も類似法規制を紹介した。
法規制は自動運転レベル3、4、5を対象にしている。2市の規則は似ているが、異なる点もある。
規則では、テストに応募できる組織や事故保険の義務付け、テストに利用可能な自動運転車の明細、自動運転テストの管理組織、自動運転からドライバー運転に切り替える機能、自動運転車にいるドライバーの資格やデータ記録機能などが定められた。

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