ウェアラブルデバイスと聞くと、スマートウォッチやスマートグラスを想像する方が多いのではないだろうか。
しかし最近では新たな形でのウェアラブルデバイスが登場している。
そこで今回は、新たなウェアラブルデバイスを紹介することで、顧客のニーズと、それをどのようなテクノロジーをどのようなデバイスに取り入れて解決していくのかという点に着目していきたい。
歩き方を分析・補正していく
まずはNECとFiNC Technologiesが共同開発したIoTインソール「A-RROWG」を紹介する。
これは美しい歩き方をするために、歩行分析センサーを搭載したインソールで歩行を分析するというものだ。
このインソールは専用のアプリを通して歩行速度や歩幅、足を上げる高さなどの結果を可視化することができる。
さらに理想的な歩行姿勢や具体的なトレーニング方法をアドバイスしてくれるというものだ。
歩数だけでなく、どのような歩きの癖があるのかを把握し、それを強制していくというものだ。
歩くということは日々行うことだからこそ、体に与える影響も大きい。また、トレーニングを本格的に始めるのに抵抗のある方や、時間が取れない方でも日々の歩き方からトレーニングを始められるというメリットがある。
A-RROWGは現在、Makuakeというクラウドファンディングで先行予約販売を行なっている。
温度調節はインナーで行う時代
次に紹介するのは、ソニーが開発した「REON POCKET」というインナーウェアのウェアラブルデバイスだ。
東レインターナショナルが提供する首元にサーモデバイスを装着することができる専用インナーに、人の皮膚を冷温するために設計されたサーモデバイスを差し込む。
操作は専用アプリを通してスマートフォンから行える。
「COOL」「HEAT」の切り替えと、温度調節が行えるため、夏・冬兼用で使える。
また、REON POKETスタンダードでは、オートモード機能がついており、サーモデバイスに内蔵されている複数のセンサーで外気の温度状態や人の動き(静止/歩行)を検知し、自動で適切な温度調節を行ってくれる。(REON POKETライトではマニュアルモードのみ)
こちらもソニーが運営する「First Flight」というクラウドファンディングやEコマースを活用した新事業サービスを通じて支援を募集していた。(現在は支援終了)
https://youtu.be/2dlzdZlbq2Q
皮膚にセンサーを貼ることのメリット
最後に紹介するのはスタンフォード大学が開発した「BodyNet」という人間の皮膚に直接貼り付けるセンサーだ。
これはステッカー型センサーであるBodyNetを、手首や腹部などに貼り付け、皮膚から発せられる生体信号を検出し、その値を衣服に留められた受信機に無線で送信することができるというものだ。(トップ画参照)
皮膚に直接貼り付けることができるとのことで、肘と膝といった曲げたり伸ばしたりする箇所でも、筋肉の収縮や皮膚の微妙な弛緩を測定することにより、腕と脚の動きを捉えることができたのだという。
さらに汗やその他の分泌物を感知して、体温やストレスなどの数値を測定する新しいステッカーを開発しようとしているとのことで、より正確で高度な生体情報を取得できることが想定される。
日常的な使用でももちろん活躍しそうだが、医療など、より正確な生体情報を必要とする分野での活用が期待される。
現在は開発段階とのことだが、この技術が社会の実際の商品として利用されるのが楽しみだ。
このようにウェアラブルデバイスといっても様々な形で取り入れ出されている。
どのような情報を取りたいかに応じて必要な箇所にセンサーやデバイスを用いるという、アイディアと技術力の進展に今後も目が離せない。
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