ウェアラブル機器市場は、スマートフォン向けなどに採用されているTWS(※1)イヤホンをはじめ、今後、普及が期待されるVRゴーグルやスマートグラス、さらには生体情報のモニタリング機能を搭載した機器などを含む成長分野である。これらの機器では、物理スイッチを搭載せず、機器の着脱を自動的に検知して音楽再生の一時停止などの制御を可能にする近接センサの採用が進んでいる。
そうした状況の中、ウェアラブル機器のデザインにより高い自由度を持たせるべく、近接センサの小型化へのニーズが高まっている。
シャープ福山セミコンダクター株式会社は、I2C(※2)通信対応のウェアラブル機器向け小型近接センサ(※3)「GP2AP130S00F」を開発し、量産を開始した。
同センサは、シャープ福山セミコンダクターがオプトデバイス開発を通じて培ったパッケージ技術や光信号処理技術により、超小型サイズを実現した。また、平均消費電流Typ.40 μA(※4)の低消費電流設計により、バッテリーの長時間駆動を実現するとともに、さまざまなウェアラブル機器への組み込みが容易となる。
さらに、独自の外乱光ノイズキャンセル回路を採用し、太陽光の下など赤外波長成分が多い屋外環境においても誤作動を抑制するほか、耳などへの着脱を自動検知し、スイッチ操作なしにウェアラブル機器の制御が可能だ。
なお、同センサのサンプル価格は100円(税込)である。
※1 TWS:True Wireless Stereoの略。完全ワイヤレスステレオ。
※2 I2C:2本の信号線で通信する同期式のシリアル通信方式の規格。
※3 近接センサ:赤外光を照射して対象物の接近を検知する、受発光素子一体型のセンサ。
※4 Typ.40 μA:回路部(LSI)ならびに発光部(VCSEL)の消費電流の合計。
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