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トヨタもキャッシュレスへ、CASE、MaaSとの関係性と儲け方

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日本経済を支える製造業、その中でも車産業の存在は大きい。しかし、中国企業の台頭、はじめ、CASEと呼ばれる環境の変化などを考えると、日本の車産業にも大きなテコ入れが必要となってきている。

※CASE: Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字をとっている

すでにその変化に対して、トヨタは様々な実証実験を開始している。例えば、「Connected」については、ウェザーニューズと共にワイパーの動きで豪雨などの気象リスクを把握する取り組みが始まっている。いわゆる衛星による気象情報は精度もあらく、局所的な豪雨を見つけることができなのだが、クルマのワイパーの動作をセンシングして、その情報を集めることで豪雨がどこに発生し、どう移動しているかもわかる。

「Autonomous」については、どうだろう。2020年7月から9月にかけて、レベル4と呼ばれる完全自動運転での試乗会がすでに計画されている。

「Share」については、コンビニやカラオケなど移動と様々なサービスを掛け合わせることをイメージした、e-Palletと呼ばれる無人運転車をつくり、移動をサービス化しようとしている。

「Electric」については中国BYDと提携し、電気自動車の研究開発施設を電気自動車のメッカとなるであろう中国国内に設立することが発表されている。

こういったクルマの要素技術の発展を、移動そのものにも活用しサービス化しようという取り組みがMaaSなのだ。

トヨタが見据える、「移動のサービス化」が実現される世界

MaaSとは、Mobilitiy as a Serviceの略だが、一言で「移動サービス」といってもわかりづらい。

最近よく見かける取り組みとしては、ある地域一体で、鉄道やレンタカー、バス、シェアバイク、店舗などが提携し、一つのスマートフォンアプリがあれば、それぞれのサービスをシームレスに活用できるという取り組みがある。

一部、スマートフォンアプリ上で実現されるデジタルサービスだと誤解している人を見かけるが、スマートフォンアプリ上でできることに限らない。

そして、通常これらのサービスは、それぞれ別事業者が運営している場合が多いので、当然企業間の垣根を超えることが重要になる。

企業は、自社の持つ様々なデータ、例えば鉄道であれば運行データや、運賃データなど、を公開することが必須となり、公開されたデータを何らかの場所に集め、利用者にとって使いやすいように加工したり、表現したりして、便利にしていくことになる。

トヨタの場合は、どうだろう。

当然、MaaSの中心は、「移動」なので、トヨタはその真っただ中にいる。

2017年のCESでe-Palletが発表され世界中のクルマメーカーが「移動がサービス化される世界」をイメージするきっかけをつくった。その後、e-Palletを活用した移動をサービス化する会社をソフトバンクとの合弁で設立した。この会社は、「MONET Technologies」と呼ばれ、その印象が大きい方も多いと思うが、実際はそれ以降も、「移動をサービス化する取り組み」を矢継ぎ早に発表している。

さらに、2018年のトヨタの決算説明会でも、「クルマを作る企業」から、「モビリティ・カンパニー」へ転換することが表明されていていることからも、その意気込みを感じる。

最も象徴的なのが、先日の発表で、「TOYOTA WALLET」なるキャッシュレスサービスの開始を発表したことだ。

現在、いわゆるレンタカーサービスとなる「トヨタレンタカー」、15分150円から利用できる、カーシェアーサービス「TOYOTA SHARE」、頭金なし、月々払いで新車に乗れる「KINTO」、複数の移動手段から最適な移動手段を見つけ、乗り物の予約や決済などもアプリでできる「my route」、「MONET」など、トヨタグループ内外の様々なモビリティサービスと連携することが想定されている。

MaaSにおいて、決済サービスはその中核となる。移動がサービス化されるわけだから、これまでのように、クルマを購入して、ガソリン代を払って移動するのではなく、移動するときに移動した分だけお金を払うわけだから、当然だろう。

決済サービスを持たない場合、決済事業者から移動サービスの利用料を支払ってもらうわけだが、決済サービスも紐付けておくことで、その多様性は広がる。

例えば、サービスが広がれば移動先の店舗での決済などでも手数料収入を得ることができるし、一つの移動(とその際受けるサービス)全体に対して割引やポイントサービスなどを付加しやすくなるだろう。

現在、フィンランドのWhim(ウィム)というサービスが世界でも進んだサービスとされていて、固定料金での移動サービスを提供しているとされているが、日本、特に都市部では鉄道が発達していて、利用者に固定料金に魅力を感じてもらうにはかなりの低価格が前提とならない限り、普及は難しい。

一方で、近い将来、必ずやってくるクルマの買い替えのタイミングで、トヨタがMaaSの環境をきちんと整備できていれば、郊外やクルマでの移動が当たり前の地域を中心に、徐々に移動の在り方も変わっていくのかもしれないが、先行するMaaS事業者と同じく「どう儲けていくのか」がカギとなるのは言うまでもない。

では、どういうビジネスモデルが考えられ、いかに儲けるのだろうか。

MaaS時代の儲け方

MaaS時代に、週末に遠方まで出かける場合、クルマを所有しているか、いないかはわからない。そのため、目的地までの移動において、どのレンタカー会社を使うか、どのメーカーの自家用車を使うか、どの鉄道を使うか、どんなにトヨタが移動サービスを生み出そうとそれを利用するかどうかはわからない。

決済に関しても、必ずTOYOTA WALLETが使われるとは限らない。MaaSを進めるために公開した自社データが、他社のメリットのために使われる可能性もある。

この懸念が、多くの企業が情報を出したがらない根拠となっていて、MaaSが理想論となりかねない状況を生み出している。

しかし、生活者は便利で安い、快適なものにはいずれ移行していく。自社がやらなくても、他社が始めてしまえば、トップシェアの企業といえどもいずれ取り残される結果となるのだ。

つまり、シェアリングが当たり前の時代になると、これまでのように、強者が独占的にシェアを高めるのが難しい時代となってくるので、ある種競合ともいえるような企業とも密に連携し、サービス全体をエコシステム化することが重要になる。

前述したMONETは、コンソーシアムを運営していて国内自動車メーカーはもちろんのこと、様々なビジネスドメインの企業が名を連ねていて、エコシステムを構成しようとしている。

これは、前述したとおり、MaaSにおいては、他事業者との連携したサービスの提供が必須となるからだ。

GAFAにみられるような、「プラットフォーマーが利益を独占する構造」を取らず、社会全体の利便性を向上しながら産業全体を発展させる、というビジネスモデルはこれまでにあまりなかったものであるため、トヨタに限らずMaaSにかかわる事業者が、ここで儲けていくには発想の大転換が必須となるのだ。

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