ウェザーニューズとトヨタ、気象データとワイパーの稼働状況を活用して気象リスクを把握する実証実験を開始

昨今、激甚化する気象現象やそれによる被害が社会問題となっており、これまで以上に局地性・即時性のある気象情報やその対応策情報が求められている。このようなニーズに応えるためには、より詳細で正確な気象状況をリアルタイムに把握することが必要である。しかしながら、既存の気象観測器は設置場所や測定間隔が制限されてしまうという課題がある。

また、雨天時の事故率は晴天時の約4倍とも言われ、降水の有無は車の安全運転に大きく影響する。しかしながら、降水エリアの把握や予測によく用いられる雨雲レーダーは、対流圏下層(上空2km以下)の雨雲が降らせる雨や、霧雨のような小さな雨粒による雨は捉えることができないという弱点があり、そのような場合、降水エリアを正確に把握することは困難だった。

一方で、IoT技術の発達により、様々な機器が通信機能を持つ時代となっている。車も同様で、IoT技術を持つコネクティッドカーからは走行データや車のコンディションデータ寄せられ、これらの車両データから、車の走行や挙動に影響を及ぼす事象を捉えることが可能だ。

このような背景から、株式会社ウェザーニューズとトヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は、ウェザーニューズが持つ気象データとトヨタのコネクティッドカーから得られる車両データを活用して、気象観測・予測精度の向上やドライバーの安全を目指す取り組みを開始した。

従来のように気象現象を直接センサーで捉えるだけでなく、車両データと気象データというビッグデータを組み合わせて分析することによって、道路及びその周辺の実況把握への新たな活路が開けることが期待できる。両社は同取り組みの一環として、今夏に道路の冠水箇所を推測するAIアルゴリズムを開発、10月には実証実験を実施した。

そして今回、ウェザーニューズとトヨタは、ウェザーニューズが持つ気象データとトヨタのコネクティッドカーから得られる車両データを活用して、ワイパーの稼働状況と気象データから道路及びその周辺の状況を把握するための実証実験を、東京都・大阪府・愛知県の3都府県を対象に開始した。

同実証実験では、対象地域を走るトヨタのコネクティッドカーのワイパー稼働状況をマップに可視化し、実際の気象データと照らし合わせる。

雨雲レーダーに映らない低い雨雲により関東で雨となった過去の事例では、アプリ「ウェザーニュース」のユーザーからの天気報告「ウェザーリポート」で雨の報告があったエリアとワイパーの稼働エリアがおおよそ対応していたことがわかっており、ワイパーデータの活用により雨雲レーダーで捕捉できない降水の把握が期待できる。

ウェザーニューズとトヨタ、気象データとワイパーの稼働状況を活用して気象リスクを把握する実証実験を開始
2019年7月7日8:30のワイパーとウェザーリポートデータ
<ワイパーデータ>橙:稼働あり 灰:稼働なし
<ウェザーリポート>赤丸:雨に関する報告があった地点

なお、実証実験ではワイパーデータと気象データとの関係を詳細に分析し、正確な降水エリアの把握のほか、ワイパー強度に対応する降水強度の推定などにも取り組み、ワイパーデータの天気予報への活用も検討する予定だ。

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