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アクセンチュアデジタルの見せた近未来 -MWC2017レポート③

スペイン バルセロナで行われた、MWC2017レポートの三回目は、アクセンチュアデジタルのブースで見せられていた近未来の技術についてだ。

GoogleのTangoを使ったデモンストレーション

GoogleのTangoを知っているだろうか?Googleが開発したAR技術で、対応デバイスを使うと現実の3D空間上に物体が現れるのだ。

まだ対応デバイスがあまり流通していないためなじみが薄いかもしれないが、今回の展示では、Lenovoのファブレットである、Lenovo Phab 2 Proを使ってBMWのクルマを表示した。

画面上に現れた原寸サイズのクルマ。もちろんデータをモデリングしているので、実物ではないが実際に見ると驚きを隠せない。

MWC2017

データだけに、色の変更や、生地の変更なども簡単に行える。

なにより驚いたのは、クルマの中にも入れるのだ。

3Dデータだから当たり前といえば当たり前なのだが、ドアをあけて中に入っていくと内装が見える。タイヤ周りを内側に動くとブレーキシステムが見える。というモノだ。

クルマの中にあるデジタル機器も実際のモノと同じプログラムが施されているため動かすことができる。

これだけリアルに情報を取得できれば、5G時代に家庭にいながらクルマや様々な家電製品を家に実際に置いてみて詳しく見るということは現実的になるといえるだろう。

DUCATIとのプロジェクトで見せたバイクのデジタライゼーション

DUCATIのバイクのプロジェクトでは、実際にバイクのタンク部分に取り付けられたコンピュータがバイクの各パーツの状態を取得するのだ。

このプロジェクトでは、実際に走行しながら、別のパーツを使った場合どれくらい走行結果が変わるかをシミュレーションしチームに伝える。そして、チームはその指示にしたがってパーツを変更していくことでタイムを縮めていくということだ。

上図のようにリアルな走行と、シミュレーションの情報を同時にみることができる。Stability(安定性)が低いということで安定性を向上するパーツに変更したいときのシミュレーションを行う。

シミュレーション通り部品を変更することで、実際にタイムが縮まっていることがわかる。

バルセロナ市のスマートシティ化計画

最後に目を引いたのが、スマートシティでは進んでいるといわれているバルセロナ市だが、今後どういうことを市としてやっていくかについて、アクセンチュアがバルセロナのテレコム企業であるCellnex、フランスに拠点を置く欧州の電力・ガス事業者であるengieと共同で青図を描いているということで、そのデモンストレーションもみることができた。

「CityOS」という考え方でつくられた、スマートシティの全体コンセプトはOSというだけあってここで作られたものは他の都市でも再利用可能なものとなっている。

騒音管理

騒音の管理を街全に置かれたセンサーで可視化していくというものだ。平常時のノイズの状況をみるだけでなく、異常値になったエリアがどの建物付近なのかを検知し、現場のパトロールに向かわせるというコンセプトだ。

デモでは、この赤い建物で騒いでいるということがわかる。

交通管理

交通状況の管理は、自動運転の文脈もからめていろんなところで議論されているが、バルセロナ市でも「混雑の緩和」や「安全」というテーマで交通状況を管理していくというコンセプトだ。

街の清掃サービス

街のゴミ箱の状態を監視し、必要な清掃作業を効率的に行うというものだ。

街燈管理

最後に街燈を管理するサービスだ。センサーが明るさを感知し、無駄遣いを減らす。さらに、持続的に行うことで街の安全も保つというコンセプトだ。

これらのコンセプトは絵に描いた餅といえばそこまでだが、実際のテレコム企業や電力・ガス企業と共に検討しているだけに、具体的だった。スマートシティのカタチができてくれば、我々の街にもこういったソリューションが入ってくるのかもしれない。

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