IDC Japan株式会社は、2018年の調査実績をもとにして、2019年~2023年の国内クライアント仮想化関連市場について予測した。国内クライアント仮想化ソリューション市場は、2023年には8,858億円まで拡大し、2018年~2023年の年間平均成長率(以下、CAGR)は4.2%になるとIDCではみている。
市場拡大の促進要因は、インテリジェントワークスペースの進化、法規制/ガイドラインによるIT投資拡大、Windows 7/Windows Server 2008のサポート終了によるVDI/SBC需要拡大である。
2019年は、デジタルワークスペースが、さらにインテリジェントワークスペースへと進化、深化する年だとIDCではみている。アナリティクス、RPA(Robotic Process Automation)などのAI技術、チャット/メッセンジャー、次世代セキュリティやクラウドサービスなどの実装/連携が進み、インテリジェントワークスペースへ進化するとIDCでは予測した。
VDI環境における生体認証、電子サイン、音声/動画も実用段階に入り、多くのユーザー企業で活用されている。本格的に実用化されるSD-WANや2019年にパイロットサービスが予定されている5Gなどのネットワーク環境の進化も、特にDesktop as a Service事業者には促進要因となると捉えている。
このような市場拡大に伴い、2023年のクライアント仮想化利用ユーザー数は772万人まで拡大し、クライアント仮想化の産業分野別ユーザー数は、2018年では、先進的IT投資が最も進んでいる「金融」のユーザー数が最も多く、2023年には139万人まで拡大するとみている。その次に利用率が高い産業分野が、「官庁/自治体/教育」「製造」で、クライアント仮想化の実装が進むとIDCではみている。
2018年~2023年におけるCAGRが、7.3%のクライアント仮想化サービス(以下、Desktop as a Service)では、プライベートクラウドDesktop as a Serviceに加え、エンタープライズクラウドDesktop as a Service、パブリッククラウドDesktop as a Service、ハイブリッドクラウドDesktop as a Serviceなど多様化が進む。
2018年では、プライベートクラウドDesktop as a Service市場が636億円と最も大きく、2023年には874億円まで拡大するとIDCではみている。一方、パブリッククラウドDesktop as a Service市場の年間平均成長率は最も高く、25.8%で推移すると予測した。
「2019年は、デジタルワークスペースがさらに進化し、インテリジェントワークスペースへ発展するであろう。セキュリティ/認証系のクラウドサービス、ストレージサービスなどの新技術を見極めながら自社エンドポイント環境に融合させることが求められている」とIDC Japan PC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストである渋谷 寛氏は述べた。
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