ボッシュが運営するCafe 1886 at BoschでBOSCHの戦略についての説明があった。
冒頭、ボッシュ株式会社 代表取締役社長 ウド・ウォルツ氏は、「コネクティビティがテーマだ」と述べた。2015年は、「自動運転」「スマートホーム」「バッテリー」の分野で戦略的な決断をしてきたことで、グローバルでは2.5%の成長率を実現できたということだ。
2016年の日本の市場においては、自動運転、二輪市場、IoTソリューションへの投資を加速するつもりで、自動運転に関しては公道での実験も開始したいということだ。
- スマートホーム
- スマートシティ
- コネクテッドインダストリー
- コネクテッドモビリティ
の4項目を重点項目とし、センサーやソフトウエアを駆使することで、IoTにおけるイネーブラー(実現する人)になりたいと述べた。
スマートホーム
スマートホームがある家では、出かける前に鍵を閉めたか?について考えなくて良くなる。室内の気温も自動調整し、結果40%程度の電力削減効果があり、2017年にはグローバルで100億ユーロの市場に成るという想定をしているという。
家のコントロールには、一つのソリューションがあれば、様々な家電をコントロールできるようになるということだ。
スマートシティ
スマートシティでは、コネクテッドパーキングが実現できる、リアルタイム駐車スペースマップを生成して自動パーキングを実現することができるのだ。
コネクテッドパーキングでは、多くの人のクルマからでる、駐車スペース情報をクラウドを介して別の利用者に情報を伝えることで、リアルタイムに駐車スペースマップを生成し、オススメの場所を提示することができるのだ。
また、自動パーキングを利用すると、パーキングスペースに一旦停車すれば、利用者はクルマから降り、ボタンひとつで自動的にパーキングをすることができるようになる。
コネクテッドインダストリー
コネクテッドインダストリーの分野では、より効率的に、効果的にする潜在性がある。
ボッシュは5000ものマシンがすでにインターネットに繋がっっていて、製造データをリアルタイムで可視化、保守プロセスも変革されたということだ。この仕組みは、ドイツ、トルコ、韓国、中国で確立している。
日本ではIVI(Industrial Valuchain Initiative)のメンバーとなっていて、日本に於けるIoTのイニシアティブをとっていきたいと述べた。
この分野は、3S(Sensor, Software, Service)が鍵を握っていると述べた上で、BOSCHでは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサーのリーダー的な立ち位置となっており、すでに500万個のモノがBosch IoT Suiteを通じてネットワークに接続している。
今後、BOSCHの開発キットを使うことで、新たなアプリケーションをスピーディーに可視化することができるようになるということだ。
コネクテッドモビリティ
BOSCHにとって最大の変化をもたらすのはコネクテッドモビリティの分野だ。2020年に高速道路での完全自動運転の実現を目指していインターネットに接続された車は、より安全に快適に、することができる、とカーマルチメディア部門 水野敬氏は述べた。

例えば、横滑り防止装置が複数のクルマで発動したという情報がクラウドにあげられると、その情報を後方のクルマにも伝えることができるということだ。
他にも、コールセンターの運用を行なっていて、自動緊急通報(eCall)と呼ばれるサービスがある。危険な状態になった場合、エアバッグが開くのと同じようなタイミングで発呼され、緊急通報サービスにつながるということだ。すでに41か国でコールセンターが運営され、2016年末から日本でも開始されるということだ。実際の計測センサーは、シガーソケットのところにつけるだけと述べた。
さらに、クルマのメンテナンスとしてもIoTが使われるということだ。整備工場のネットワークやメンテナンスの知識があるので、昨日ぶひんの動作状態を常時監視し、不具合の兆候を発見した際はドライバーに通知。
修理工場は修理に必要な部品の準備を開始、最終的には修理に使う時間を大幅に削減することが可能となる。これらの情報を自動車メーカーにも通知するため、同じ問題が他の人にも影響がある場合は、それも通知されるようになるということだ。
最後に、今後はクルマのHMI(Human Machine Interface)が重要になる。パーソナルアシスタント機能がそろい、第三の生活空間となるということだ。
コネクテッドモビリティのデモ


今回紹介されたデモの流れは以下だ。
スマートフォンやタブレットから車が操作できる。マニュアル運転や自動運転も選べるし、車に迎えに来るように命令することもできるのだ。
まずはじめに、指紋認証を行う(ハプテックディスプレイなので、感触がある)乗り込んだ人によって、パーソナル化が行われる。両手でハンドルを握ると門が開き、マニュアルモードで運てんしている時は、道路を見ながらかTなんなジェスチャーをすると、二つのディスプレイを割り振ることができる。
運転中に同僚がビデオ電話会議を始めようとしているが、マニュアルモードだと電話に出ることができない。そこで、高速道路走行中は自動モードに切り替えるか?と聞いてくるので、自動運転に切り替えると電話もできるようになるということだ。
両方の親指を当てると自動運転モードに移行する。オフィスに到着して停車する、バレットパーキング機能を有効にすると、自動でパーキングしてくれる。タイヤ交換も、敷地内にあれば自動的にタイヤ交換をしてくれる。近未来では、クルマのことはクルマに任せることができるということだ。
・動画:概要、指紋認証、マニュアルモード運転、ジェスチャーコントロールについて
ドライバーが変わると、クルマの各種データも変わる。アシスタントモードでは、人が横切るときはライトや音で警告を出すなど、運転がサポートされるのだ。
また、外出中に、誰かが家のベルを鳴らしたら車に通知ができるようになるということだ。車の操作で、内ドアが閉まり、外ドアが開く、これで荷物の配達員も入ることができる。
家に到着したら、セキュリティカメラで安全を確認。車の周囲も確認したら、ゲートを開けて敷地に入る。そうして帰宅すると、クルマは自分で駐車し、自分で充電して次のドライブに備えるという。
・動画:高速道路中の自動走行、車中会議、自動駐車、自動タイヤ交換、子どものお迎えナビゲートについて
・動画:運転者の交代、初心者ドライバーの運転支援モード、渋滞追従サポート、遠隔宅配受取りについて
【関連リンク】
・ボッシュ
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。