株式会社FRONTEOは、独自開発の人工知能エンジン「KIBIT(キビット)」を強化し、AI実装の汎用性を高めた次世代版の人工知能エンジン「KIBIT G2(キビット ジーツー G2=Generation 2)」と、外部システムとの連携を容易にするAPI「KIBIT-Connect(キビットコネクト)」の提供を開始した。
「KIBIT G2」と「KIBIT-Connect」の提供を通じて、テキスト解析の目的とデータ総量に応じた解析処理の最適化を実現し、業務システムへの組み込みや、外部パートナーによる新たなAIソリューションの開発を促進することで、KIBITエンジンを核としたエコシステムの拡大を進めていくという。FRONTEOの人工知能製品への「KIBIT G2」の搭載は、2018年度中に順次行われる。
KIBITは、テキスト解析において、キーワードだけに頼らず、専門家や勘の優れた人が備える“暗黙知”を再現する。独自の機械学習アルゴリズムを用いており、小さな計算資源と少量の教師データによる短時間での解析が可能。また、異なる表現でも類似性や文脈を捉え、文章の特徴量を抽出できる。
「KIBIT G2」の特徴は以下の通り。
- 企業内の大規模業務システムとのシームレスな連携を行うAPI「KIBIT-Connect」
顧客の業務システムとの連携と、外部開発パートナーによるAIアプリケーション開発を可能とするAPI「KIBIT-Connect」の有償での公開、提供を開始。企業内のシステムとクラウド上での「KIBIT G2」エンジンの連携により、文章データの登録や教師データの作成、解析結果となるスコアリングの提供など、「KIBIT-Connect」を通じたデータの収受がシームレスに行われる。「KIBIT-Connect」により、個社の業務用件に沿った業務システムにおける「KIBIT G2」の解析データを効果的に活用するための受託開発、また外部のパートナーによる「KIBIT G2」エンジンを活用した、新たなアプリケーションやシステムづくりといった、多くのビジネスシーンにおいて実効性の高い人工知能の実装が可能となる。
「KIBIT-Connect」は、「KIBIT G2」エンジン提供とOEM提供(他社ソフトウェアへの組み込み)の2つのパターンがあり、「KIBIT G2」エンジンの提供方法は、機能等に制限のないフルプラン(Full Plan)と、一部制約付きのライトプラン(Light Plan)の2種類ある。
- 解析の並列処理による拡張性を強化、処理時間の短縮が可能
従来のKIBITエンジンは、解析の実行時、1つのサーバー上で形態素解析などの自然言語処理や、独自の機械学習アルゴリズム「Landscaping(ランドスケイピング)」による重み付けなどの処理を行ってきた。従来のKIBITでの処理時間は、学習データや解析対象データの量とその設定、クラウド上またはオンプレミスでのサーバー能力によって、決定されていた。「KIBIT G2」により、複数サーバーでの並列処理が可能になることで、顧客の要望に応じたデータの総量や解析結果が必要となる程度によって、解析処理をフレキシブルに行うことができるという。また同時に並列化によるシステムの可用性も高めることができる。並列可能なサーバー数は原則無制限(システム環境による)で、データの割り振りは自動的に行われるため、解析担当者やシステム管理者の負荷も最小限にすることができる。
- 機械学習アルゴリズムのカスタマイズ
「KIBIT G2」では、個別企業の解析案件に応じて、機械学習アルゴリズム「Landscaping」のカスタマイズが可能になる。従来、解析精度向上のためのチューニングは、主に教師データの調整による重み付けの変化やキーワード登録の併用などによって行われれてきた。「KIBIT G2」では、解析案件の特殊なケースに応じて、多品詞対応、類義語の拡張といったカスタマイズが可能となる他、アルゴリズムに対して、解析のケースに応じた個別設定を行うことが可能。
また、2018年11月16日には「使えるAI」の開発と提供を目指す「FRONTEO AI BizDevOps Lab.(フロンテオ エーアイ ビズデブオプスラボ)」を設立する。課題の発見と解決策の立案から、実現可能なAIの運用設計に至るプロセスを最短で実現し、実効性の高いAIソリューションを共創する場として、外部の開発パートナーや顧客との連携・共生を強化していくという。
【関連リンク】
・人工知能エンジン「KIBIT G2」
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。