チョウザメの養殖は、卵を産むまでに6年以上の飼育が必要で、雌雄の区別ができるまでは2~3年の期間が必要なため、非常に高い飼育コストがかかっている。また、養殖方法が確立されておらず、養殖環境が変化すると、全滅するリスクがある。養殖を行うには、飼育員による長期間の監視が必要であり、監視体制の構築などの課題がある。
チョウザメの養殖における各種リスクの軽減、課題の解決を目指して、国立大学法人北海道大学大学院水産科学研究院とソフトバンク株式会社は、2月からIoTやAIを用いたチョウザメのスマート養殖共同研究プロジェクトを開始した。画像データから個体または全体の異常行動を自動検知することで、低コストで効率的な養殖方法の確立を目指し、基礎研究を共同で実施する。
具体的には、機械学習を用いてチョウザメの個体識別や行動分析を行うことで、異常行動の早期発見、病気のまん延防止、水流停止や餌の供給過多のような養殖環境の異常を検知し、チョウザメの全滅を防ぐ方法を研究する。
また、水中や水上の画像データや環境情報データなどを、IoT機器によってリアルタイムに収集・分析を行う他、水流のシミュレーションとCGで再現したチョウザメの筋骨格モデルにより、様々な仮想環境による個体の泳法の3DCGによるシミュレーションデータを使用する。
魚の骨格、筋肉などから生成するチョウザメの3DCGモデルは、従来のアニメーションのためのモデルとは異なり、魚生物学シミュレーションを可能にするリアルな筋骨格3DCGを再現する。
プロジェクトは、2023年1月31日までの3年間、実施する予定とした。
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