ルネサス、独自のDRP技術で画像のリアルタイム処理を低消費電力で実現するマイクロプロセッサ「RZ/A2M」を発売

ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下、ルネサス)は、エンドポイントのスマート化に向けて、組み込みシステムにAI導入を実現する「e-AIソリューション」の拡充を進めている。今回、e-AIソリューション拡張のため、画像処理性能を従来のマイクロプロセッサ(MPU:Micro Processing Unit)RZ/A1に比べて10倍(※1)に向上させた「RZ/A2M」を開発し、本日10月4日サンプル出荷を開始した。量産は、2019年第一四半期より開始予定。

現在、OT(Operational Technology)領域でのAI活用は、センサを付けても情報量が多く通信によるクラウドへのアップロードが困難であったり、クラウドでのAI判定を待っていたのでは遅いという課題がある。今回、OT領域でのAI活用をさらに拡大するため、波形などの計測よりもさらに情報量が多く、より高い処理性能が必要となる、画像によるAI機能が可能な「RZ/A2M」を開発。

新製品は、ルネサス独自のDRP(Dynamically Reconfigurable Processor)(※2)を搭載したことにより、画像のリアルタイム処理を低消費電力で実現可能なため、カメラによるリアルタイムな画像認識や、指紋や虹彩といった生体認証、ハンディバーコードスキャナでの高速スキャニングなどをバッテリー駆動で実現し、クラウド活用では困難なリアルタイム性、プライバシ、セキュリティの課題を解決する。

これにより、スマート家電、サービスロボット、小型産業機器などの組み込み機器に、カメラを使った画像認識やAI機能を低消費電力で搭載することができるという。

ルネサスは、今後もDRP技術によるe-AIソリューションを進化させていくという。2019年後半には、このDRPをAIアクセラレータに使用し、ソフトウェアによるAI実行に対して100倍以上の性能に引き上げ、組み込みAIによるリアルタイムの推論実行を実現する予定。2021年には従来のMPUに対して1000倍となる新世代のAIアクセラレータを提供し、推論実行だけでなくエンドポイントでの学習も視野に入れ、AIによる組み込み機器の付加価値向上に寄与するとしている。

※1 例として、画像のエッジ検出を行うアルゴリズム「Canny Edge Detection」の場合、「RZ/A2M」のCPUによるソフトウェア処理では1フレームあたり142ミリ秒必要なのに対して、「RZ/A2M」に搭載したDRPを使ったハードウェア処理では10ミリ秒と、10倍以上の性能を発揮する事を確認。
※2 DRP(Dynamically Reconfigurable Processor)は、1クロックごとに演算回路の構成を動的に変更することができるハードウェアIP(Intellectual Property)。すでに放送用機器やデジタルカメラなどで10年以上の量産実績があり、ハードウェアの性能とソフトウェアの柔軟性を兼ね備えるルネサス独自の技術として様々な機器に付加価値を提供。今後はこのDRPを組み込みAI向けに拡張することにより、高い電力性能の実現だけでなく、進化を続けるニューラルネットワークに追従していくフレキシビリティを提供するという。

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