日立、水道管など地中埋設インフラを効率的に保守管理するデジタルプラットフォームを構築

厚生労働省の資料によると、現在、法定耐用年数を超えた水道管は10%を超えており、水道管の老朽化は大きな社会課題となっている。また、漏水調査をするには、調査員が公道上の制水弁や消火栓などに音聴棒を当て、漏水音を聞き分けることで、漏水の有無を確認する必要があるが、熟練調査員の減少により、調査の周期が5年以上におよぶ地域もあるなど、漏水調査の効率化が深刻な課題となっている。

そこで、株式会社日立製作所(以下、日立)は、ガス管や下水管などの地中埋設インフラを効率的に保守管理するデジタルプラットフォームを構築した。高感度・低電力センサーにより、地中配管などのデータを収集し、デジタル技術を活用することで、地中埋設インフラの保守作業の高度化・効率化を実現する。

その第一弾として、同プラットフォームを活用して、水道管の漏水エリアを瞬時に特定するシステムを開発した。同漏水検知システムは、日立が開発した高感度・低電力センサーを300m間隔で設置することで、漏水による微弱な振動を検知し、漏水エリアを瞬時に特定する。

これにより、調査員が一つひとつの水道管の漏水の有無を巡回調査する必要がなくなり、調査範囲が漏水エリアのみに限定されるため、漏水している水道管を特定する時間や労力を大幅に削減する。また、漏水量を減らし造水コストを抑えるとともに、住民の通報による緊急工事の発生も低減し、漏水に起因する断水や道路の陥没事故などを防ぎ、人々の安心・安全・快適な生活インフラを支える。

センサーは、低電力化を実現する回路技術により、電力消費量を従来比で50%削減し、内蔵バッテリーのみで5年以上稼動する。また、磁石が内蔵されており、追加工事なしで、既存の水道管に容易に設置できる。

日立は、同センサーと共に、漏水による振動を検知する高度データ分析技術を開発した。センサーに同技術を適用し、自動車や人の往来による振動といったノイズの除去をセンサーで処理することにより、通信負荷を低減したデータの収集・分析が可能になる。これらにより、漏水の誤検知を削減し、高精度な漏水検知を実現する。また、センサーとの通信は、NTTグループが提供するIoT通信技術LPWA(LTE-Mなど)の活用を想定している。

現在、同システムの実用化に向けて、NTTグループと株式会社熊本流通情報センターとともに2017年12月から実証実験を実施し、誤検知なく漏水を発見することを確認している。今後、実証実験を進め、2020年度に水道事業者向けサービスを提供開始する予定とした。

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