NECと川崎市、AI・プラットフォームを活用した廃棄物収集運搬・処理業務の実用化に向けて調査

近年、脱炭素化という環境課題に加え、少子高齢化が進み、廃棄物の収集運搬を行うドライバーなどの人材が不足し、業務効率化による働き方改革の推進が社会的な課題となっている。また、人口減少などによる廃棄物量の減少によって事業環境が厳しくなる中、廃棄物を適正に処理する社会インフラとしての健全な事業経営の継続といった経済課題の解決も求められている。

このほど、日本電気株式会社(以下、NEC)と川崎市は、株式会社中商や株式会社クレハ環境、株式会社エックス都市研究所と連携し、川崎エコタウンにおける資源循環並びに脱炭素化推進に向けて、2018年9月から2019年2月までAI及びプラットフォームを活用した廃棄物収集運搬・処理業務最適化の実用化可能性調査を行った。

川崎市では、1997年に川崎臨海部全体を対象エリアとして、国から国内第1号のエコタウン地域の認定を受けて、環境と産業の調和したまちづくりを目指している。

同調査では、注射針などの感染性廃棄物(※1)を対象として、各収集運搬業者が持つ排出場所・排出量・収集希望時間などの情報を、「FIWARE(※2)」を活用したNECのスマートシティ向け「データ利活用基盤サービス」を基に構築した「廃棄物収集運搬・処理業務最適化プラットフォーム」に蓄積し、AIで分析することで、複数業者の連携による最適な収集運搬ルートを試算した。結果、従来と比較し車両の走行距離を最大で約16%短縮できることを確認した。

同調査は、環境省の「平成30年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(地域循環圏・エコタウン低炭素化促進事業)」の採択を受けて実施された。

今後5者は、同プラットフォームの実用化に向けて、現行ルール下(※3)での実証などを通して、AI及びプラットフォームの活用が資源の効率的利用と脱炭素化の実現に貢献することを明らかにすることを目指すとした。

※1 注射針や紙おむつなど医療関係機関等から生ずる、感染性病原体が含まれる若しくは付着している廃棄物又はこれらのおそれがある廃棄物のこと。
※2 FI(Future Internet)WARE(次世代インターネット基盤ソフトウェア)。FI-PPPが次世代インターネット技術における欧州の競争力強化と、社会・公共分野のスマートアプリケーション開発を支援するために、開発した基盤ソフトウェア。FIWAREの仕様はオープンかつロイヤルティフリーで、オープンソースソフトウェアによるリファレンス実装と、オープンAPIを持つ。FIWAREが実装するオープンAPIは、「NGSI」のコンテキスト管理に係るインタフェース「NGSI-9/10」で、データ流通やデータモデルなどの仕組みを標準化したベンダーニュートラルな仕様であり、既存の各種IoT基盤と並立して業種を超えたデータの相互利活用を促すもの。
※3 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 及び この法律に付随した政令、条例など

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