ニチガス、ガスメーターをオンライン化して使用量をリアルタイムに計測するNCUを開発

日本瓦斯株式会社(以下、ニチガス)は、ガスメーターをオンライン化し、ガスの使用量をリアルタイムに計測できるNCU(※1)「スペース蛍」を自社開発した。

「スペース蛍」の通信方式は、SigfoxとLTE-Mのハイブリッドで、株式会社ソラコムと共同開発したIoTデータ収集基盤システム「ニチガスストリーム」と連携させ、フォーマットも共通化している。「ニチガスストリーム」とは、同社が、ソラコムの通信技術により協働で構築している、様々なIoTデバイス(ガスボンベやメーター等)等から集めたデータを効率的にワイヤレスで収集する仕組みのことだ。

連携したことにより、特定の通信方式やキャリアの制限を受けることなくデータを取得し、電波状況等に応じた、通信サービスを提供することができる。

「スペース蛍」は、電池交換を10年間不要としながら、これまで人間が月に1回、顧客宅で計測していた検針データを遠隔で1時間に1回自動計測することができ、従来の720倍にも及ぶ精緻なデータの把握ができる。これにより、顧客宅のガス残量を可視化でき、ガスボンベの交換タイミングをさらに最適化し、配送効率を飛躍的に向上させることで、オペレーションコストの削減を実現できる。

また、これまで人間が顧客宅に出向いて行っていた、ガスメーターの開閉も遠隔操作が可能となる。これにより、顧客は、開閉栓への立ち合いが不要となり、利便性が大きく向上する。加えて、ガスの微小漏洩警告等の保安情報もリアルタイムに把握でき、保安の高度化も実現される。

同社は、「スペース蛍」によるガス使用量データのリアルタイム化に加え、2020年完成予定のハブ充填基地「夢の絆・川崎」(※2)で、貯蔵タンクのガス残量・ボンベ在庫本数・ガス充填機の稼働状況をリアルタイムに把握する技術や、ガスボンベにRFID(※3)を貼付し、ガスボンベの配送経路や位置情報をリアルタイムに把握する技術を構築している。

これらLPG物流でのすべての拠点をリアルタイムに連携することで、「予測」に基づいてきたLPG物流の概念を、リアルタイムの「実績」に基づくものにし、「生産」と「消費」をリアルタイムで管理するLPGデジタルトランスフォーメーションを構築する。

同社は、まず「スペース蛍」を2021年3月期中に同社グループのLPガス利用者に導入し、次いで、同社グループの導管で都市ガスを供給している顧客にも、順次導入する予定だ。同時に、他のLPガス事業者に、エネルギープラットフォームを提供する「LPG託送サービス」を開始する。

※1 Network Control Unitの略。ガスメーターの使用量データを電子的に読取り、フォーマット変換の後に無線を使ってクラウドへ送信するIoT装置のこと。
※2 同社が建設している大型LPガスハブ充填基地。同ハブ充填基地は、最新のICT、IoT技術を組み込むことで、LPガスタンクへのガスの受け入れ、LPガスの共同充填・トレーラーへの積載、耐圧検査などをデジタルトランスフォーメーションによる完全無人化を目指している。
※3 RFIDとは、ID情報を埋め込んだRFタグ(ICタグ)から、電波などの近距離無線通信によって情報をやりとりする技術全般のこと。ここではICタグを指す。

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