内覧から入居まで「完全非対面」での賃貸借契約マンション

顧客案内の負担軽減や鍵管理のコスト削減を目指す

三菱地所ハウスネットは賃貸住宅の管理業を営む企業である。

賃貸住宅の管理業は(1)新規でオーナーから物件を預かる受託業務(2)預かった物件を稼働させるリーシングの機能(3)入居中の管理、の3つに大きく分かれているが、三菱地所ハウスネットは(2)の業務についてデジタル技術を使った無人化・省略化は出来ないか、と検討した。

(2)の業務における課題には、まず顧客を案内する担当者の負担(交通費・人件費など)がかかってしまう、ということがある。

もう1つの大きな問題として、内覧物件の鍵の管理がある。近隣の不動産業者に預けるのも面倒であり、鍵を紛失しても責任の所在がよく分からない。紛失事故を防ぐためのチェック機能を付けるだけでも大変な手間である。

上記のような悩みを解消するため、三菱地所ハウスネットが取り組んだのが、内覧予約から入居までの全手続きに人を介さない、完全非対面の賃貸借契約である。

三菱地所ハウスネットが賃貸借契約の完全非対面化を実現させた物件は、賃貸マンション「ザ・パークハビオ新宿」である。

三菱地所ハウスネット、内覧から入居まで完全非対面の賃貸借契約マンションを実現

「スマート内覧」での内覧予約

内覧から入居まで「完全非対面」での賃貸借契約マンション
まず内覧希望者は、ライナフの提供するウェブの内覧予約管理サービス「スマート内覧」のユーザー登録を行う。登録を終え、個人アカウントの管理画面から「物件一覧」を開き、「ザ・パークハビオ新宿」を選択する。「内覧日確認・内覧予約」をクリックすると、予約日時を選択する画面が表示される。

内覧可能な日時をクリックし、予約を確定する。個人アカウントの管理画面にある「内覧予定」から「詳細」をクリックすると上記図の4にあるような画面が現れる。

画面には内覧予定の詳細と、「エントランスのカギ」、「部屋のカギ」という項目が表示される。

エントランスの解錠

内覧当日、「ザ・パークハビオ新宿」を訪れた内覧希望者は、「スマート内覧」の個人アカウントに付与された「エントランスのカギ」を使って、建物のエントランスを解錠する。

「ザ・パークハビオ新宿」のエントランスは、ライナフのエントランス向けスマートロックソリューション「NinjaEntrance」によって制御されている。エントランスの解錠方法は以下の通りである。

内覧から入居まで「完全非対面」での賃貸借契約マンション

まず内覧希望者は「スマート内覧」個人アカウント管理画面のブラウザをスマートフォンで立ち上げ、前記の「詳細」画面を表示する。「詳細」画面を表示した後、内覧希望者は「エントランスのカギ」項目の下に表示されている「エントランスの解錠」(下写真の赤丸部分)をクリックする。この「エントランスの解錠」は内覧開始時間から利用できるようになっている。

三菱地所ハウスネット、内覧から入居まで完全非対面の賃貸借契約マンションを実現

「エントランスの解錠」をクリックすると、解錠の指示がライナフのサーバに送信されて、さらにサーバから「ザ・パークハビオ新宿」内の管理人室に設置されているコントローラに届く。コントローラは有線で「NinjaEntrance」につながっており、この有線を通して解錠指示がエントランスのドアに送られ、解錠される。

内覧部屋の解錠

エントランスを解錠し、「ザ・パークハビオ新宿」内に入ると、今度は内覧対象の部屋のドアを、「スマート内覧」の個人アカウントに付与された「部屋のカギ」を使って解錠する。

内覧対象の部屋のカギは、ライナフの賃貸住宅向けスマートロックソリューション「NinjaLockM」によって制御されている。部屋のカギの解錠方法は以下の通りである。

内覧から入居まで「完全非対面」での賃貸借契約マンション

まず内覧希望者は「スマート内覧」個人アカウント管理画面のブラウザをスマートフォンで立ち上げ、前記の「詳細」画面を表示する。「詳細」画面を表示した後、「部屋のカギ」項目の下にある「〇〇〇(部屋番号)の解錠」をクリックする。

「〇〇〇の解錠」をクリックすると、キー番号が表示される。このキー番号は「NinjaLockM」本体に設定されているサイクルパスワードであり、内覧希望者が「スマート内覧」で内覧予約を行った際にサーバが該当する部屋ドアの番号を確認し、内覧希望者の個人アカウントに付与するものだ。

内覧希望者は、このキー番号を部屋のドアに設置された「NinjaLockM」に直接入力することで、ドアを解錠する。なお、このキー番号については「スマート内覧」で予約した時間帯のみ使用できるパスワードになっている。

部屋情報をタブレットで確認

内覧対象の部屋を解錠し中に入ると、下記写真のようなタブレット(ライナフ提供)が設置されている。

三菱地所ハウスネット、内覧から入居まで完全非対面の賃貸借契約マンションを実現

内覧者はこのタブレットを使って、部屋の情報を確認することができる。例えば「お部屋の説明を聞きたい」という項目をタップすると、音声によるガイドが再生される。また、「担当者と話したい」を選択すると、タブレットを介して音声電話で物件担当者とやり取りすることができる。

入居申込・重要事項説明・契約締結

内覧希望者が入居を決定した場合、三菱地所ハウスネットは・入居申込・重要事項説明・契約締結の各手続について、下記の各サービスを利用して入居希望者との契約を進める。

・スマートフォンやタブレットを使い、賃貸の申込手続きが行えるシステム「conomy」(グッドルーム提供)
・資料共有ができるウェブ会議システム「ES×Meetingplaza」(いい生活提供)
・クラウド上で契約書の作成から管理までを行うことができる「Holmes」(Holmes提供)

入居者への鍵の引き渡し

上記の各サービスを用いて契約締結まで終えると、最後に入居者に対する部屋の鍵の引き渡しを「NinjaLockM」を使って行う。

引き渡し方法は以下の通りになっている。

まず、三菱地所ハウスネットは部屋の「NinjaLockM」のモードを「空室中」から「入居中」に切り替える。これによって入居者以外に部屋を解錠することが出来なくなる。

次に入居予定者に対して、三菱地所ハウスネットは以下の3つの解錠方法を選択させる。

・暗証番号
・専用カード
・専用アプリでのワンタッチ

暗証番号については、解錠方法は以下のようになる。

内覧から入居まで「完全非対面」での賃貸借契約マンション

まず三菱地所ハウスネットは、「NinjaLockM」を操作するための専用アプリへの登録招待を送る。入居予定者はその招待を通じて、アプリをダウンロードする。

暗証番号を使った解錠には「三菱地所ハウスネット側で用意した暗証番号を使う」「専用アプリで入居者自身が番号を設定する」の2つの方法がある。

内覧から入居まで「完全非対面」での賃貸借契約マンション

三菱地所ハウスネット側で用意した番号を使う場合、既に「NinjaLockM」本体に登録されたキー番号を専用アプリの画面で確認することができるので、アプリで番号を確認の上、「NinjaLockM」に直接番号を入力する。

入居者が設定する場合、まず専用アプリによって任意の番号を登録する申請を行う。アプリを経由して申請を受けた三菱地所ハウスネットは、サーバを経由して対象の「NinjaLockM」に番号の登録を行う。登録完了の通知がアプリに送られた後、入居者は設定した番号を「NinjaLockM」に直接入力することで解錠する。

専用カードの場合は、解錠権限を「NinjaLockM」本体に登録したカードを入居予定者に送付する。入居者は専用カードを「NinjaLockM」に直接かざすことで解錠する。

専用アプリのワンタッチによる解錠方法は以下の通りだ。

三菱地所ハウスネットは暗証番号の時と同様に、専用アプリへの招待を入居予定者に送る。この招待を受けることで、入居者は該当の「NinjaLockM」へのアプリを使った解錠権限が付与される。

入居当日、入居者はスマートフォンで専用アプリを立ち上げ、ワンタッチでのロック解除画面を開いて解錠の指示を操作する。スマートフォンでの解錠指示は一旦ライナフのサーバに送られ、サーバから「NinjaLockM」本体へ開閉指示が届き、ドアが開く。

時間に縛られない賃貸契約の実現

三菱地所ハウスネットが賃貸借契約の完全非対面化を目指した理由として、顧客案内の負担軽減や鍵管理のコスト削減があることは前述したが、内覧希望者側のメリットとしては「時間に縛られず賃貸住宅の検討、契約が出来る」ということがある。

つまり、管理会社や仲介業者の営業時間外や定休日にも内覧や契約が出来ることで、顧客のペースに合わせた賃貸契約のあり方が実現できるということだ。

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