活用されだしたRFID、そのコストや課題とは

ユニクロは、商品タグにRFIDをいれ、製造から在庫、出荷、販売にいたるすべてのプロセスで商品をトレースし、効率化を実現している。

実際に店舗で、買い物カゴに入れられた商品を、以前のように、店員がバーコードリーダーで読み取らなくなったのを見た人は多いのではないか。最近では、さらに進んで無人のレジも配置されている。

[RFID] RFIDとは、Radio Frequency Identificationの略で、電波(電磁波)を用いて、RFタグのデータを非接触で読み書きするもの、その技術のことをいう。

電子情報を保存するRFタグと、そのタグを読み込むリーダライタとの間の通信技術のこと。身近な例だと、図書館での資料管理などにこの技術は使用されている。

他の事例を見る。株式会社Liquidとパナソニック株式会社は、手ぶらで商品を購入できる「無人販売ショーケース」を共同で開発した。

[参考記事]
Liquidとパナソニック、生体認証とRFIDを活用した手ぶらで商品を購入できる「無人販売ショーケース」開発

「無人販売ショーケース」は、予め登録した顧客の生体情報(指紋)をLiquidが提供する生体認証スキャナーにかざしてショーケースのドアを開け、欲しい商品を選んで手に取ると、パナソニックが提供するRFID読み取り技術で、手にした商品を追跡する。

その後、Liquidが提供する生体認証と連動した決済ソリューション「PASS」を通じて、ショーケース前面に設置されたディスプレイに購入したい商品と価格が表示され、商品購入が完了する仕組みだ。

こういったニュースを見ていると、様々な場面でRFタグが活用され、例えば、物流業界などでは物流の効率化のために、全ての荷物にRFタグを付ければよいのではなにか、という話になる。

一方で、そんなことコストがかかりすぎて簡単にはできないという話も同時に耳にする。

一枚当たりのコスト

RFIDの応用研究が進み始めた1990年代の初め、RFタグは一枚1000円以上であった。その後、バッテリーレスや集積度向上による小型化などにより100円以下の見通しが立っていった。

一枚100円のタグを1商品の管理のために使える企業は少ない。そこで、さらなる価格低下を図るため、経済産業省が中心となって、「響プロジェクト」という取り組みも行われている。

響プロジェクト

2004年8月から2年間計画で実施されたプロジェクトで、RFタグのコストを、1枚あたり5円程度までコストダウンし、安定供給できることを目的としていた。

プロジェクト終了時には、1億個/月の生産量において価格5円で提供できる見通しを得たという。

しかし、これはタグとアンテナをフィルムに取り付けたインレットと呼ばれる部品の価格であり、実際に何かに貼り付けるラベルのような形で使用するには、さらに加工が必要となる。

現在の価格は10円程度

現在の価格を確認してみると、安くても一枚当たり10円はかかるようだ。

※参考:RFID/NFCRealTouchShop

一枚あたりのコストはかなり下がっているが、2次元バーコード等に比べるとまだまだ高く、商品全てに導入するにはかなりの投資が必要なことがわかる。

価格以外の問題点

RFタグは価格以外にもいくつかの問題がある。

セキュリティ面

RFIDは、今までの読み取り技術と比較して、より通信距離が長くメモリが大きいため、今まで以上に情報が漏洩する可能性がある。

そこで、本人か特定の人間しか読み取れないようにする対策を講じる必要がある。

液体や金属に対して弱い

電波を利用し通信を行うため、電波を遮断する液体や金属に対して貼り付けると、通信ができなくなってしまうことがある。

最近では、金属や液体に対応したタグもあるため、選定が重要である。

価格面だけでなく、技術面の課題も多くあり、最近では、まったく異なるアプローチとして、AIによる画像認識技術を活用した個体識別の方法なども登場している。

ユニクロの場合、SPA(製造から販売まで同一企業が一貫して行う)なので、商品をトレースするメリットは高く、そのコストコントロールの恩恵を受けやすい。

しかし、多くの企業が関連している物流の最適化に必須となる、モノのトレーサビリティ。その実現にはまだまだ課題が多い。

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