ユニセフ、ドローンでHIV検査の短縮化狙う、マラウイで血液サンプル輸送の試験飛行

ユニセフ(国連児童基金)とマラウイ政府は、乳幼児のHIV検査の結果待ちの日数を短縮する費用対効果の高い方法を探るため、無人航空機(ドローン)の利用実験を開始した。模擬的な血液サンプルを用いたこの実験は、待ち時間を飛躍的に削減する可能性を有するもので、もし成功すれば、道路輸送やテキストメッセージなど他の仕組みと並んで、保健システムに組み込まれることになる。

成功した最初の試験飛行は、コミュニティの保健センターからカムズ中央病院の研究所まで、障害物のない10キロのルートだった。住民も、ドローンが離陸して病院の方角に飛び立っていくのを見守った。費用や安全性を含めた実用化の可能性を評価する今回の試験飛行は、3月18日金曜日まで続けられる。

 

「HIV/エイズはいまだマラウイの発展の障害になっていて、毎年約1万人の子どもたちがHIV/エイズによって命を落としています。この革新的な取り組みは、マラウイの遠隔地で保健担当者が直面している輸送上の問題やそれに伴うさまざまな遅れを克服する突破口になるかもしれません。」とユニセフ・マラウイ事務所代表のマヒンボ・ムドエ氏は述べた。

「2014年には、マラウイで4万人近い子どもたちがHIVに感染している母親から生まれました。このような子どもたちへの質の高いケアは早期診断にかかっており、それには乾燥した血液サンプルを検査のために保健センターから中央の研究所に送る必要があります。ドローンが輸送時間を短縮し、治療を必要とする子どもたちに早く治療を開始するための解決策の一つとなることを願っています」と、ムドエ氏代表は述べている。

 

2014年には、マラウイの約1万人の子どもたちがHIVに関連した疾患により死亡し、治療を受けられたのはすべての子どもたちの半分以下に過ぎない。現在、血液サンプルを保健センターから研究所に送るまで平均11日、結果が送り返されるまで最長8週間を要している。検査から結果通達までの期間が長くなればなるほど、患者が治療を受けられなくなる率は高まる。

 

■マラウイのHIV検査の現状

ユニセフ、ドローンでHIV検査の短縮化狙う、マラウイで血液サンプル輸送の試験飛行
保健員が赤ちゃんから乾燥した血液サンプルを取る様子

マラウイは、国全体でのHIV罹患率が10パーセントと、いまだ世界で最も高い水準にある。2013年時点で、推定100万人のマラウイの人々がHIVと共に生きており、同年4万8,000人がHIVに関連した疾患で命を落とした。

今日では90パーセントの妊婦が自身のHIV感染状況を認識しているなど進展も見られているが、いまだ乳幼児が検査や治療を受けられていないケースがある。

血液サンプルは現在、バイクか地元当局の救急車を使って陸路で運ばれている。ディーゼル燃料の高いコスト、劣悪な道路状況、限られた巡回スケジュールなどさまざまな要因で、サンプルの輸送に大幅な遅れが生じており、小児用抗レトロウイルス療法の効果を高める上での重大な障害になっている。現在、保健センターから研究所まで11日、陸路で結果が送り返されるまで最長8週間を要している。

ドローンの飛行は、専ら輸送のために設計され、実験に使用されているドローンを製作したアメリカの民間企業マターネット(Matternet)によって支援されている。試験飛行の後、陸路輸送との費用の比較が行われ、もし結果が良好ならば、第二段階では同国の遠隔地からの試験飛行を行うことになるという。

 

【関連リンク】
ユニセフ(UNICEF)
日本ユニセフ協会(the Japan Committee for UNICEF )
マターネット(Matternet)

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