Pepper、ヘルスパッチ、最新の技術を形にしていくヒューマンセントリックな開発企業 イサナドットネット CEO 石谷氏インタビュー

イサナドットネットは、ガラケーやスマートフォンの先端技術開発や、Pepperなどのロボット開発実績が豊富で、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、ロボティックス、向けのソフトウェアの開発をはじめ、ヘルスケアやスマートハウスに関連したソフトウェア技術の開発・提供を行っている企業だ。

Pepper通なら知っている人も多い、Congrats Pepperという結婚式でのPepper利用の例もイサナドットネットの作品だ。

以前、IoTNEWSでも話題になったヘルスパッチの具体的な利用や、Pepper関連の今後の取り組みについて イサナドットネット株式会社 石谷 伊左奈氏に話を伺った。

イサナドットネット CEO 石谷氏インタビュー
左:IoTNEWS代表 小泉耕二/イサナドットネット株式会社 CEO 石谷 伊左奈氏

医療分野へのIoTの取り組み

 
-最近ヘルスケア分野への取り組みもされているというお話を伺ったのですが、その取り組みについて教えてください

現在、「ヘルスパッチ」というモノを使ったサービスを立ち上げています。

ヘルスパッチは、米バイタルコネクト社が提供する、ウェアラブル生体センサです。弊社は、連携するソフトウェア部分の開発を行っており、現在引き合いも多く、多くの引き合いが大学や病院です。

ヘルスパッチからBluetooth Low Energyでスマートフォンに情報を飛ばして、インターネット経由でクラウドに情報が溜まり、パソコンから見られるという仕組みで、ロボットにも繋がりますので、ロボットからも見ることができます。

イサナドットネット CEO 石谷氏インタビュー
ヘルスパッチ

イサナドットネット CEO 石谷氏インタビュー

 
-健康診断いらずになりそうですね。

そうですね。本格的な計測を自宅で取ることができますので、今後在宅医療で使えるだろうと思っています。ヘルスパッチで取得しているのは、心電図、表皮体温、加速度の3つで、例えば歩行ひとつ取ってもどのように歩いているか記録することが可能です。

また、お年寄りはどっち向きに寝てるかが重要ということもあり、睡眠時に上を向いているのか横を向いているのかがわかる、体動も計測できます。電池はつけっぱなしだと3~4日持ちます。

イサナドットネット CEO 石谷氏インタビュー
イサナドットネット株式会社 CEO 石谷 伊左奈氏

 
-ヘルスパッチを用いたアプリケーション開発はどのような目的で行っているのでしょうか。

現在は医療用向けが中心です。最初はどういう人向けかというのを指定しないでやってきたのですが、ここまできちんと計測できるもので、しかも貼りっぱなしにしなければいけないので、医療目的の需要がメインになるのではないかと思っています。また、明らかな健康上の危機が無いと皆さん行動や投資を行わないことも今までの経験で感じています。

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BiSM-Hubデモスクリーンショット(PC) 様々な計測機器の情報がクラウドにアップロードされることで、このBiSM-Hubで可視化することができるようになる。

これまでは、ウェアラブル活動量計などでざっくりとしたデータを取ることができていましたが、このヘルスパッチではかなり詳細な情報が取れます。しかし、それゆえにまだどう使うかというのは模索中ですが、アカデミックなセクターにはそれに関するデータの蓄積がありますので、そこと繋げていきたいと思っています。今後実験を続けて製品化していく際には、アルゴリズムも載せていきたいと考えています。

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BiSM-Hubデモスクリーンショット(iPhone)

 
-これから訪れるIoT社会と医療の分野について、どういう想いでやっていますか。

医療分野に関していうと、高齢化が進んでいるので需要はすごく多いのですが、一方で費やせるコストは多くありません。今後おそらく確実にくるのが、在宅医療や既存の医療サービスの負荷軽減ですので、その領域はアプローチすべきだと思っています。

Pepperの実績が多い、isana.netならではの取り組み

 
-御社はPepperの開発でも実績を多くお持ちだと思います。さらに、Pepperなどのロボット開発が簡単にできるCitrus Ramsという製品をお持ちですが、これはどういったことができるのでしょうか。

Citrus Ramsでは、ロボットのコンテンツ作成・プログラミングをブラウザで行う機能を提供しています。コミュニケーションロボットで重要なのはコンテンツを作ることです。多くの方々にロボットコンテンツを制作して頂くには、より簡単に使えるツールが必要です。よってブラウザでインタラクションを設計することができるものがあった方がいいということで開発しました。

https://youtu.be/d-j9zTIMU08

コミュニケーションの設計はもちろん、使用したログを解析できるようにしていて、ウェブサイトと同じようにPDCAを回せるようにしています。一番問題なのはロボットのアプリケーションを最初に作ってそのままにしておくことです。改善していかないと飽きられてしまいますし、一番最初に出したものが最善かどうかもわかりません。

性別や年齢や、その人がどう操作してどこで操作をやめたかがわかりますので、ウェブサイトと同じですね。Citrus Ramsを使用した例ですが、下記の動画に登場しているエンジニアではない男性が全てご自身で操作されています。

■道の駅平成にいるPepper
https://youtu.be/zUfDhOBv2PQ

■武生製麺 そば打ち工場で先生役をするPepper
https://youtu.be/4uEBuE07OFk

 
-Pepperを買ったのはいいけれど、どう使ったらいいかわからないという人も多いそうですので、簡単に作れるアプリケーションあるのはいいですね。これから様々なモノとクラウドが繋がる社会がすぐそこにきていますが、今後御社はどのような方向に進んでいくのでしょうか。

21世紀は社会課題に対するアプローチがビジネスになると考えています。社会課題というのは社会構造の変化に対して起きるものなので、それに対してどうテクノロジーで解決できるかを、経営の切り口として中長期的に考えるのが正しいと思っています。

テクノロジーに限った話ではないのですが、便利になることと幸せになることは関係がありません。昔の不便な時代の人が不幸せだったかというとそうではないはずですので、極論を言うと便利になるという進化はやってもやらなくてもいいのかもしれないと思います。

 
-かねてより技術のことに向き合っているからそう思うのかもしれませんね。

経済活動を拡大していくことだけがビジネスの目的になりつつありますが、結果的に行っていることは環境破壊なのではないかと思って「なんなんだろう」と感じています。

そこで、労働人口が減るのでそれをどうするかということや、医療費が高騰していくことに対して医療的な社会課題にどうアプローチするかというのは、やっても間違っていないのではないかと思っています。また、弊社の社会的に向き合い方に共感して入社される方も多く、「何のために仕事してるのかわからない」とならないように、採用面でもこの考え方は重要です。

ロボットやAIなど今は、みんながやっていますが、その中で今後はヒューマンセントリックな考え方も必要になってくると思います。例えば、3年前くらいは自動化という言葉に対して批判的な方も多かったのですが、現在は労働人口が減ってどうするのだという話になっているので、自動化することに関して賛成派が増えてきました。牛丼チェーンのアルバイトがいなくなったという話もありましたし、今や働く人がいなくなってしまったという現実があり、その辺の潮目も変わったなと感じています。

さらに、労働人口減少だけではなく、高齢化に伴う医療サービス、水、食料、災害対策、エネルギーなどにも課題がありますので、きちんと考える必要があると思っています。

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-なるほど、奥深い視点をお持ちなのですね。本日はありがとうございました。

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