WWDC2020にみるアップル製品の進化と、学ぶべき「デジタル活用」

先日WWDC2020をみて、iOSをはじめとするアップル製品の進化に驚いた人は多いと思われる。

筆者の場合、今回はOSなどソフトウエア周りのアップデートに関する発表が主であったとはいえ、特に周辺機器まわりの先端技術をいい感じで使っている点に興味を惹かれた。

おそらく、多くの企業が、現在「デジタル活用」に関して悩んでいることと思われるが、重要なヒントが多く隠されている。

Apple Pencilは、手書き文字をコピーペースト

アップルペンシルといえば、iPadでの手書き文字を書くために重宝されている電子ペンだ。

この電子ペン、これまでも書き味が、本当のペンのようなものであったため、多くの人が驚いたものだが、今回は、書いた文字が手書き文字であるにもかかわらず、選択可能であり、その文字の色を変えたり、コピーペーストできるということに驚いた。

他にも手書きで書いた矩形や、矢印なども自動できれいにしてくれるという。

単純に手書き文字を範囲指定で選択でき、色をかえることができるという点について、これまでであれば、ペンの色を変えてから手書きをしていたわけだが、とりあえず黒で文字を書き殴っておいて、あとで重要なところだけ色を変えるということができるようになったのだ。

そして、コピーペーストについては、コピーした手書き文字を、画像認識で言語解析を行い、文字認識を行った上で、ペーストするツールに文字列として配置する、とい処理が必要になる。

APPLE WWDC2020
©️APPLE

これは一見簡単に見えて、複雑な処理をやっている。コンピュータの性能も問われるだろう。

こういった複雑な処理を直感的に実現するのはアップルの御家芸だとも言える。

AirPods Proは「気が利く」接続が実現

また、AirPods Proでは、MacやiPad、iPhoneを同時に使う、アップルファンの人にとっては朗報な機能が追加された。

例えば、Macで音楽を聴きながら作業をしていて、iPhoneで電話がなったとき、iPhoneでもAirPods Proで電話をとりたければ、bluetoothの切り替えを手動で行う必要があった。

しかし、こんなことを実際に行っていては、間違いなく電話は切れてしまう。

しかし、新しい機能では、電話を取れば、AirPods Proの接続先は、MacからiPhoneに自動的にうつるというのだ。

この機能も利用者の直感的な実現してほしい気持ちを現実のものとしている。

APPLE WWDC2020
©️APPLE

Apple Watchも、つけている人を思いやる機能が追加

さらに、Apple Watchでは、ランニングのような単調な動作だけでなく、ダンスのような複雑な動作も認識できるようになり、睡眠というテーマに関しても、通常よくあるウエアラブルバンドでは、睡眠中のデータを取得しようとするのだが、Apple Watchでは違う。

入眠前のルーティーンを設定することで、入眠をスムーズに行うといのだ。

APPLE WWDC2020
©️APPLE

睡眠中についても、寝ているひとを起こさないような工夫をすることはもちろんのこと、起床時も、隣で寝ているパートナーを起こさないような配慮がされているという。

3つの周辺機器について、これまでであれば、ペンシルであれば手書きがきれいにできる、イヤホンは音質、ウオッチは生態情報を取得、とシンプルな機能を追求するプロダクトが多かった。

しかし、今回の発表を見るとわかるように、アップルは利用者の気持ちになってできることを決めている。

こういった心地よさが実現されることで、ファンが増えているのだとあらためて思い知らされた。

現在、多くの企業が自社製品や自社サービスに、どうやって最新技術を取り込めばよいかで悩んでいる。しかし、アップルのアプローチを見れば、「デジタル技術の本質を理解する」そして、「利用者の気持ちに寄り添う」という、たった二つの点を大事にしていることがわかるだろう。

もし、同じ悩みに直面している人がいたら、デジタル技術を本質的に理解する努力と、今一度自分の顧客に寄り添うということについて考えてみて欲しい。

WWDCレポート動画も公開中

Youtubeの動画で、この記事以外の様々な変更点についてもわかりやすく解説しているのでみてみてほしい。

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